転職時の悩み

逃げの転職は悪いことじゃない!その理由と成功する方法

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  • 転職って悪いことなの?
  • 逃げの転職って何?
  • どうやれば転職は成功するの?

このような悩みはありませんか? 

たしかに「転職する」というのは、あまり良いイメージがありませんよね。仕方がない転職ではなく逃げるような転職の場合には、なおらさイメージが悪いと思います。

そのようなイメージでは、今の会社が辛くても「転職しよう」とは思えないかもしれません。 

また、転職しようと思ったとしても経験がないので、どうやれば転職が成功するのかもわからないと思います。

そこで本記事では、

  • 逃げの転職のメリット・デメリット
  • 逃げの転職は悪いことなのか
  • どうすれば転職が成功するのか

などを説明します。

本記事を読めば、転職が悪いことではないと思えるはずです。加えて、どのような転職活動を行えばいいのかという指針も得られると思います。

逃げの転職とは

本記事では、逃げの転職を「自分都合の転職」と定義します。たとえば、「人間関係が悪いから転職する」などが当てはまります。 

会社ではなく学校をベースにするとわかりやすいかもしれません。クライメイトと仲が悪いからと言って、「違うクラスに移りたい」とか「違う学校に行きたい」という要望は、一般的に聞き入れられませんよね。

「わがままを言うな」と怒られるかもしれません。なぜなら、関係修復の努力を放棄している自分都合の要望だからです。

逃げの転職を定義をしたところで、メリットとデメリットを紹介します。

逃げの転職のメリット

逃げの転職には、主に3つのメリットがあります。 

1つ目:ストレスから解放される

ストレスから解放されれば、ストレスによって引き起こされていた頭痛や肩こり、不安やイライラ、不眠などの不調の改善が見込めるでしょう。

また、過度なストレスによって引き起こされる、うつ病やパニック障害、自律神経失調症などの病気を回避することもできます。 

2つ目:モチベーションが回復する

新しい職場、新しい環境に身を置くことで、心がリフレッシュされモチベーションの回復に繋がるでしょう。

モチベーションが向上すれば、生産性や積極性の向上も見込めます。 

3つ目:視野が広がる

視野を広げると、多面的に物事を視る力や柔軟な思考をする力が獲得できます。

1つの会社に属しているだけでは、1つの価値観しか得られません。しかし世の中には、さまざま職業があり、同じ職業であってもさまざな会社があります。

職業や会社が違えば、接する人間や労働条件なども違ってきます。多くの価値観に触れる経験すれば自分の能力を高めることができるのです。

「逃げの転職」にも良いことがある

このように、逃げの転職といっても悪いことばかりではありません。

自分を犠牲にして会社のために頑張っても、ストレスによる病気やモチベーションの低下を引き起こしてしまえば、結局会社にとって不利益になってしまいます。

そうなるくらいなら自分都合であっても転職をし、新たな会社でさまざまなことを経験して視野を広げ、能力を高めていくことも選択肢の1つになるのではないでしょうか。 

そうはいっても、やはり逃げの転職にはデメリットもあります。メリットだけを見て転職をするのではなく、しっかりとデメリットも理解しましょう。

逃げの転職のデメリット

逃げの転職には、主に3つのデメリットがあります。 

1つ目:逃げ癖がつく可能性がある

転職したことがない場合には、将来の予想ができず不安な気持ちになるため、少しくらい嫌なことがあっても「転職しよう」とは考えないはずです。

しかし1度転職が成功してしまうと、経験があるので次からは前ほど不安にならずに転職できるようになります。

このような経験を積んでしまうと、「嫌なことがあれば会社を変えればいい」という思考になってしまう可能性もあるのです。 

2つ目:人間関係がゼロから始まる

転職すると会社の人間だけでなく、取引先などの仕事相手との関係もゼロから始めることになります。

今まで築いてきた信頼関係が無駄になってしまうのです。そのため、また1から信頼関係を構築しなければいけません。 

3つ目:転職を繰り返すことで評価が悪くなる可能性がある

2017年の1月~6月にかけてリクナビNEXTが行った調査によると、転職歴が1回の場合、「気になる」と回答した人事担当者はたったの2%でした。

しかし3回になると、一気に40%に増えます。つまり転職を繰り返すことで、あなたの評価は悪くなる可能性が高まっていくということです。

逃げの転職は悪いことなのか

逃げの転職を「自分都合の転職」と定義しましたが、はたしてこれは悪いことなのでしょうか。 

冒頭に記載したクラスメイトでの例え

先ほどは学校を例にして、クライメイトと仲が悪いからと言って、「転校したい」と言うのはわがままだと言いました。

それは学校であれば、仲の悪い人と関わらないという選択ができるからです。加えて、関わらないことによる不利益もありません。また、関りを持つ時間も短いです。

そのため、ただ仲が悪いからと言って親に「転校したい」と言っても聞き入れられることは少ないでしょう。 

会社には「評価に基づく」明確な上下関係がある

しかし会社の場合はどうでしょう。

上司との関係が悪いから関わらないという選択ができるでしょうか。できませんよね。そして上司との関わりは、その会社に上司かあなたがいる限り続きます。

加えて一緒にプロジェクトを行うなど、学校以上に濃密な関係が求めれます。このような状態のとき、ずっと我慢し続けることは正解なのでしょうか。 

そして、あなたの評価を行うのは、その上司なのです。

上司との不仲は転職理由に使えるのか?

実はこの判断が転職を行う上で、最も難しいのです。

なぜなら、あなた自身は「もう我慢ならない」と思い転職活動を始めたとしても、採用担当者に「人間関係を修復する努力を放棄しているな」と思われてしまったら、あなたの評価がわるくなってしまうからです。 

ここからは転職理由を説明するときに困らないように、良い逃げの転職と悪い逃げの転職を説明したいと思います。

良い逃げの転職とは

良い逃げの転職とは、あなた自身が問題を改善する努力をしている場合です。 

たとえば、上司との人間関係が悪かったとします。そのときに「なぜ悪いのか」原因を分析し、あなたなりに改善策を練り、行動を起こしていれば採用担当者にも「努力を放棄している」とは思われないでしょう。

上司は言ったことの先までやってほしいと考えているようだ。しかし私は、言われたことしかやっていなかった。そのため上司にとっては、やる気がないように見えて、私に対する態度が悪くなったと考えれる。したがって、今後は言われたこと以上の仕事をすれば関係が改善するのではないか?

このような仮説を立て、上司との関係が修復できるよう努力したにもかかわらず、上司との関係が修復できなかった場合には、自分都合とは言え転職を考えてもいいのではないでしょうか。 

しかしこのような仮説を立てるためには、しっかりと自分を客観視できている必要があります。

なぜなら、客観視できていなければ「私は言われたこと以上のことをやっていて、上司に嫌われる理由がない」となってしまい、改善のしようがないからです。

こうならないためにも、自分の考えや価値観だけで判断せず、同僚などに相談する必要があるでしょう。

悪い逃げの転職とは

良い逃げの転職と逆で、あなた自身が問題を改善する努力をしていない場合です。 

先ほどの例で言うと、「言われたことしかやらない」というのが原因で人間関係が悪化しているにもかかわらず、「そんなことで嫌うなんて心の小さい人だ」と考えてしまい、自分は何も変わらないで転職を考えるなどです。 

このような転職を行ってしまうと、「逃げ癖」がついてしまう可能性が非常に高くなります。 

転職前の会社で原因の分析を行えていた場合、その新しい会社では前と同じ過ちを犯さないように気を付けることができます。その結果、新しい会社では上司との人間関係が良好なものになる可能性が高いです。 

しかし転職前の会社で改善しようと努力せずに新しい会社に入った場合には、その新しい会社でも前の会社と同じ行動をしてしまいます。その結果、新しい会社でも上司との人間関係が悪化してしまう可能性もあるでしょう。そうなってしまうと、改善の努力をせずに「また転職しよう」と考えてしまうかもしれません。 

転職を考える際には、まず「今の会社でできることはないか」を考えることが大事だと言えます。

逃げの転職が成功する方法

その転職が良いのか悪いのかは置いておいて、自分都合だと思われる逃げの転職を成功させるためには、どのような方法を取ればいいのでしょうか。 

逃げの転職を成功させるためには、自己理解が大事だと思います。 

人間関係が理由の逃げの転職の場合

たとえば、人間関係に不満を持っていて転職を考えているとします。そのとき、「自分が悪いことはないか」や「自分の何がいけないのか」などを考える必要があります。

つまり、「人間関係が悪い状況を他責にしない」ことが大事です。自分自身が変われる部分を見つけましょう。

原因を明確にしなければ、どこの会社に行ったとしても同じ問題にぶつかる可能性が高いです。 

給与が理由の逃げの転職の場合

また、給与に不満があったとします。その場合はまず、転職エージェントなどに行って自分の市場価値を客観的に分析してもらい、自分の価値を知る必要があります。

あなたが不満に思っていても、市場価値と貰っている給与が同価値であるならば、転職したとしても不満が解消される可能性は低いです。

もし給与が良い会社に転職できたとしても、今度は仕事についていけずに別の不満が発生する可能性もあります。 

第三者視点でのアドバイスを求めよう

では、どのように自己理解をすればいいのでしょうか。最もオススメなのは、キャリアコンサルタントに相談することです。 

キャリアコンサルタントは、キャリアについての専門家であり人によっては国家資格を持っている方もいます。

特に、キャリアカウンセリングを通して自己理解を深める支援をすることが得意です。そのためキャリアコンサルタントに相談すれば、「本当の問題は何なのか」が明確になります。 

実は、「自分が問題だと思い込んでいること」と「本当の問題」には差があり、自分の問題点を正確に理解できている人は少ないのです。

キャリアコンサルタントのアドバイス例

たとえば「給与」が問題だと思い込んでいる場合です。

多くの人は、「給与が低すぎるため、転職したい」と転職理由を語ります。しかしキャリアカウンセリングを行うと、「給与が低いのは、私の評価が低いからだ」と語る人もいるのです。

この場合、問題は「給与が低いこと」ではなく、「承認欲求が満たされていないこと」になります。 

したがって、転職先は「給与が高い会社」ではなく、「承認欲求を満たせる会社」になるのです。なぜなら、承認欲求を満たす要因は給与だけではないからです。

もしこのとき、「給与のみ」に焦点を当てて転職しても、「給与は高くなったけど、認められている気がしない」という不満を持つ可能性が高くなってしまいます。 

そのため転職する際には、キャリアコンサルタントなどに相談して、「本当の問題点」を明確にする必要があるのです。 

このように自分について正確に理解することで、より良い会社へと転職できるのです。

転職をする際に指針となる理論

少し話が変わりますが、転職をする際に指針となる理論は、アメリカの臨床心理学者が提唱する【二要因理論】というものです。

これは、仕事の満足・不満足に何が影響しているのかを明確にした理論です。したがって、この理論を知っていれば満足度が高く、不満足度が低い会社を選べるようになります。 

【二要因理論】には、【動機付け要因】と【衛生要因】というものがあります。 

【動機付け要因】とは、その要因が影響することで仕事の満足度を高められる要因のことで、【衛生要因】とは、仕事の満足度を下げてしまう要因のことです。 

少し難しいと思うので、1つずつ説明していきます。

【動機づけ要因】とは

【動機付け要因】とは、その要因が影響することで仕事の満足度を高められる要因のことです。 

【動機付け要因】には、達成・評価・やりがい・昇進・成長などがあります。

つまり、仕事を達成したり、それによって正当な評価を得たり、昇進したり、仕事をする中で成長を感じられるようなことなどが、仕事への満足度に影響しているということです。 

したがって、これらの要素がある会社に行くことで、仕事に対する満足度を高めることができます。しかし【動機付け要因】は、満足度に影響する要因であって、これを満たしたからと言って不満足を解消できるわけではありません。

【衛生要因】とは

【衛生要因】とは、仕事の満足度を下げてしまう要因のことです。 

【衛生要因】には、人間関係・会社の方針・労働環境・労働条件・給与などがあります。

つまり、人間関係が悪かったり、労働環境・条件が悪かったり、給与が少なったりした場合には、不満足度が高まってしまうということです。 

したがって、これらの要素が自分の要望とマッチした会社に行くことで、不満足を解消することができます。しかし【衛生要因】は、不満足に影響する要因であって、これを満たしたからと言って満足度を高めることはできません。

【動機づけ要因】と【衛生要因】の関係

つまり【動機付け要因】と【衛生要因】は、どちらか1つだけ満たしていればいいものでありません。 

成長できる会社(動機付け要因)だけれど給与が低い(衛生要因)場合には、やはり不満足感が出てきてしまいます。逆に、人間関係が良好(衛生要因)だけれど達成感がない(動機づけ要因)場合には、仕事に満足することはできません。 

ただ、どちらも満たす会社に転職できることは、ごくまれです。大切なのは、「満足できていない」のか「不満足を感じている」のか、どちらがより強い不満につながっているのかを分析することです。

不満に感じることを明確にしないと転職は失敗する

たとえば人間関係が悪い場合に、転職を考えたとします。この場合には【衛生要因】なので「不満足を感じている」ことになります。そのときに、【動機付け要因】である仕事のやりがいがある会社や成長できる会社へ転職しても、「不満足」を解消することはできません。 

逆に、成長できない会社だと思い転職を考えた際も同じです。この場合には【動機付け要因】なので「満足できていない」ことになります。そのときに、【衛生要因】である給与が高い会社へと転職しても、「満足度」を高めることはできません。 

逃げの転職でも同じ

このように、自分が「満足できていないのか」それとも「不満足を感じているのか」を明確にしなければ、あなたの望む転職は実現しません。

自分の転職理由が「逃げ」であったとしても、その理由が「会社・仕事への本当の不満なのか」を明確にしておきましょう。

逃げの転職は悪いことじゃない

1度始めたことを投げ出すのは、たしかに良いことではありません。

ただ、転職とは投げ出すことではなく、試行錯誤だと思うのです。むしろ今の状態が悪いにもかかわらず、それを放置する方が、投げ出していると表現できるのではないでしょうか。 

今の会社での問題を改善する努力は、絶対に必要だと思います。しかしそれでも改善できないようなら、そこで心を押し殺して我慢するのではなく、転職するという選択肢を取るのも良いのではないでしょうか。 

「転職は悪いことである」という世間のイメージだけを気にして、今の会社に居続けても「あなたの価値」を最大限発揮できないと思うのです。

それならば、「あなたの価値」を最大限発揮できるような環境を求めて転職することは、悪いことじゃないと思います。