転職コラム

転職のデメリットを把握すれば転職活動の成功に「ぐっ」と近づく!

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「終身雇用制度が終わりを迎えた」とされてから長い時間が経ったことで、「転がる石を苔を蒸さず」も良い意味で解釈されることも多くなり、転職に対しても好意的に受け止める向きも増えてきました。

自分の理想の生き方を叶えるための転職は歓迎されるべきだといえますが、転職にはデメリットもあります。

ここでは転職の持つ意味やメリットに注目しつつ、「転職のデメリット」に焦点をあて、そのなかでもうまく転職活動を進めていくための方法をお伝えしていきます。

転職のデメリットを探る

総務省が出したデータによれば、2019年の転職者は351万人ということでした。

これは、比較できるようになった2002年以降では最大の数字であり、特に女性の転職者が多く見られました。

また若い世代(15歳~24歳および25歳~34歳)の世代での転職が上昇し、35歳以降でも緩やかに伸びています。なお、55歳~64歳および65歳以上での転職者数は、過去17年間で最大の伸びとなりました。

転職理由も「より良い条件の仕事を探すため」という前向きなものがもっとも多く、「会社都合によるもの」などのマイナスの理由は下降傾向にあります。

出典:総務省「統計トピックスNO.123 増加傾向が続く転職者の状況~2019年の転職数は過去最多~」

そのため、多くの人が前向きな気持ちで転職活動に取り組んでいるということは間違いありません。しかし転職には、多くのデメリットもあります。

年収と退職金が下がり、ローンに影響が出る可能性がある

転職が金銭面に与えるデメリットとして、「年収や退職金が下がる可能性がある」というものが挙げられます。

やりがいや労働環境を重視すると年収が下がる可能性が高い

  • 未経験領域への転職
  • 時短勤務などの特殊な勤務シフトを希望

などを重視した転職活動の場合、年収に妥協する場面も出てくると思います。自分の転職の軸が何かをはっきりとさせることで、優先順位を決めて転職活動を行いましょう。

結婚や引っ越しなど、転職後にまとまったお金が必要なイベントがある場合は、年収条件はしっかりと企業と交渉するようにしましょう。

退職金がもらえる条件についてしっかりと確認しておこう

退職金の算定基準は企業によって異なりますが、「勤続年数ごとで決まっている」、「勤続年数に対して、さらに別の要素(退職事由など)を掛け合わせて決める」としているところが多いです。

もちろんすべての企業がこの形式を採用しているとまでは断言できませんが、非常に多くの企業にとって「勤続年数が退職金の重要な算定基準になっている」と言えます。そのため、転職をすることで勤続年数が短くなり、退職金が減る可能性は十分に考えられます。

企業によっては、退職金自体もらえなくなる可能性もありますので、退職金の条件は事前に確認しておきましょう。

また、「そもそも退職金制度がない」という企業もありますから、転職先企業の退職金の有無についても注意しましょう。

住宅ローンなどを検討している場合は特に注意!

ローンの審査においても「勤続年数」は非常に重要な項目です。勤続年数が長い人はそれだけ社会的に信用があるとみなされます。

逆に言えば極めて短い期間で転職を繰り返していた場合、社会的に信用ができないとされ、ローンが通りにくくなる可能性があります。

加えて「企業自体の信用度」もまた、ローンの審査に影響を与えます。「転職前の企業が名前の知れた安定したところであったが、転職してベンチャー企業に勤めることになった」などの場合は、ローンが組みにくくなる可能性もあるでしょう。

ホッパー
ホッパー
僕は、上場企業から社員10人以下のスタートアップに経験したときに、不動産投資用のマンションのローン審査に「企業要因」で落ちました…

転職は社会的信用の低下を招く可能性もある

上記でも軽く触れましたが、あまりにも短期間で転職を繰り返していた場合、社会的信用に欠けると判断される可能性が高くなります。

よく言われることではありますが、最初の数か月~数年の間は会社が給与を払いつつ社員を育てていきます。そのため、一部の特殊な業界・企業・働き方を除き、短期間で職を辞してしまう人間は、企業にとっては負債となります。

「次の職場では長く続けるつもりだ」と思っていたとしてもその前の職場での就業期間が短く、かつそれを何度も繰り返していた場合は、「どうせうちの会社もすぐに辞めるのだろう」と受け取られることが多く、面接に受かりにくくなるというマイナス点もあります。

新しい職場で落ち着くまでに時間がかかる

当然のことながら、新しい職場で落ち着くまでにはある程度の時間がかかります。

特に転職者の場合は、

  • すでに完成されている人間関係のなかに飛び込んでいくことになること
  • 周りの人が「職場における習慣や常識」に慣れている中、ただ一人それを知らない状況で働かなければならない
  • 新卒者とは異なり、ほかの人からの指導も「知っていること」を前提として行われる場合も多いこと

など、職場に馴染む為に時間がかかります。そのため自ら積極的に働きかけ、質問をし、仕事に馴染んでいく姿勢が強く求められます。

転職のメリットも知っておこう

ここまで「転職のデメリット」について解説してきましたが、当然転職にはメリットもあります。それについて解説します。

年収アップの可能性ももちろんある

先程の総務省のデータにあるように、多くの人は「より良い環境」を求めて転職を行います。

そのなかでも、「年収」はひとつのわかりやすい指標となるでしょう。転職によってより高収入を実現することもありますし、そうでない場合も休暇面や勤務時間などの面で融通がききやすくなるなどのメリットを得られるようになることもあります。

転職を行う際は、「自分にとって最優先すべき項目は何か」を明確にしたうえで行動すると、上記のようなメリットも得られやすくなります。

人間関係を変えられることもメリット

転職をすると、新しく人間関係を構築しなければならないう大変さがあります。

しかし、前の職場で人間関係に悩まされていたり、仕事内容が合わなかったり、企業の掲げる倫理観と自身の持つ倫理観が折り合わなかったりした人の場合は、転職によってこれらの悩みを解消できる可能性が高いといえます。

また、「とりあえず今の会社に就職したが、やはり自分の夢を諦められない」などのような人にとっては、「自分の夢であった職業」に就くための転職が、人生そのものの満足度を高めることにもつながるでしょう。

企業によっては「転職回数は気にしない」ところも多い

「転職を繰り返す人は信頼されない可能性もある」としましたが、企業によっては転職回数をまったく気にしないとしているところも少なくありません(後述します)。

特に人手不足の業界においては、あまり問題にならない可能性が高いと推測されます。
「転職回数を気にせず、かつ待遇面も良い会社」を見つけることができれば、転職は人生における大きなプラスとなるでしょう。

転職回数、企業担当者は気にする?

日本最大大手の転職サイトのうちのひとつであるリクナビでは、企業の担当者に対して、「転職回数が何回以上になると気にするか?」という質問をしています。

これに対する回答のなかで、担当者が最も気にする回数は「3回目から」で40パーセント、「4回目から」が16パーセントとなっています。ただ15%の担当者は転職回数を「気にならない」としていて、これが全体で3番目に多い割合を占めています。

「1~2回目でも気になる」とした層はわずか1割に過ぎず、現在においては転職回数がある程度あるのは当然のことと受け止められているようです。

出典:リクナビNEXT「転職が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態」

アドバイザー
アドバイザー
特にIT業界では転職する方も多いので、転職回数を気にしない人事や求職者が増えています。

転職時にデメリットになる条件

転職のデメリットやメリット、転職回数の及ぼす影響を述べたところで、ここからは「転職を成功させるために必要な要素は何か」、「転職するときの注意点」、「転職するときの選び方」などについて解説していきましょう。

勤続年数が短すぎる場合はデメリットになることも

若いうちの転職のメリットは、「選択肢が非常に広いこと」です。30代以降になると、転職をする際にも「前の会社での実績」が求められるようになります。

しかし20代での転職の場合、特筆すべき実績がなくても受け入れられやすく、「未経験可」のところでも積極的に採用してもらえる可能性が高くなります。

「20代は若手」との認識があるため、現在の能力よりもポテンシャルの方が評価される傾向が高いうえ、できないことがあっても「まだ若いから」ということで丁寧に指導してもらえる可能性も高いといえます。

ただその分、スキルが求められる会社への転職は難しかったり、勤続年数が短い場合はマイナス評価をつけられやすかったりするというデメリットはあります。

ポテンシャルとは、「伸びしろ」のことです。若ければ若い程、企業の文化やノウハウを吸収してもらいやすいと考えられているため、ポテンシャル枠であれば未経験でも採用される可能性が高いです。

入社したい企業に「ポテンシャル採用」、「ポテンシャル枠」などの記載を見つけたら積極的に応募してみましょう!

同業界への転職、異なる業界への転職について

転職をするとき、「前職と同じ業界に行くか、それとも前職とは関係のない業界に行くか」で悩む人も多いことでしょう。

同じ業界への転職の場合、即戦力になることができるため採用されやすいというメリットがありますが、同時に環境を変えることができず前職と同じような仕事から抜け出せないというデメリットもあります。

まったく異なる業界に行く場合は、新たな業務にやりがいを感じたり、マンネリを打破できたりといったメリットがありますが、未経験ゆへの転職の難しさであったり、「思っていたのと違うかった」などの後悔に出会う可能性もあります。

おすすめとしては未経験業界にチャレンジしたい場合でも、いくつかは同業界の企業にも平行して応募しておきましょう。

【余談】デメリットを気にせず、とにかく早く職を見つけたい場合

なお、「新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で会社自体がつぶれてしまい、早急に新しい就職先を選ぶ必要がある」などの場合は、介護業界にあたってみるのもひとつの手です。

介護業界は常に人手不足であるため、「未経験で、かつ資格がなくても採用する」としているところが非常に多く、転職しやすい環境が整っています。

転職先はどのようなタイプで選ぶ?

転職先の候補はいろいろあります。

  • 大企業
  • 中小企業
  • ベンチャーや外資系
  • 知り合いの会社

に大別して解説していきます。

大手企業への転職は福利厚生の充実を求める人に

一般的に大企業は福利厚生が整っていることが多く、働きやすいことが多いといえます。また社会的信用度が高いためローンを組むときなどに有利になります。

会社の将来性や安定性もある程度担保されているため、長く勤め続けたい人には向いているでしょう。

ただし人間関係や社風が旧態依然としている企業が多いこと、また転職する側の能力もある程度求められます。特にある程度年齢が高い人の場合、学歴や資格のみならず「前職でどれだけの仕事をしてきたのか」「実績はどのようなものか」が問われる傾向にあります。

中小企業はスピード感のある仕事を求める人に

中小企業は、スピード感のある仕事をしたい人に比較的向いています。また仕事内容や人間関係が充実しているところを魅力としてとらえている人も多くみられます。

コミュニケーションがとりやすいため、仕事でわからないことなどがあった場合でも聞きやすいのが魅力です。

反面、大企業ほどの安定性や給与は得られにくいというデメリットもあります。また福利厚生が薄いのも懸念材料です。「密になりがちな人間関係は中小企業の魅力でもあるが、逆に入りにくさを感じる」と感じる人もいるでしょう。

実力主義が好きな人はベンチャーや外資系がおすすめ

ベンチャー企業や外資系に転職するのもひとつの手です。

もちろん企業によって違いはありますが、これらの会社は「能力第一」であることも多く、前職での経験やコミュニケーション能力などはあまり問われない傾向にあります。

また「成績を上げさえすれば給料は青天井」という会社も珍しくなく、高収入を狙いやすいという環境にあります。

加えて現在は「ストックオプション(将来的に、株を買うことができる権利)」などの制度があることもあり、チャレンジ性が見込まれている点も特徴です。

なおストックオプションの夢を語るときによく出されるのがメルカリの事例で、35人以上の社員たちが6億円以上の資産を手に入れたものが有名です。

新しいサービスを積極的に手掛けたいと考えている人や、自分の能力を最大限に生かしたいと考えている人にも向いています。なお外資系であっても、技術職で入社した場合は英語の能力はほとんど問われません。

ただし逆をいえば、「能力が低い」「成績を上げられない」という人にとっては非常に厳しい環境となるでしょう。安定的とはいえない企業も多く、人事考査もシビアに行われる傾向にあります。

そのため、「年収1500万円×3年保証、成績次第で給料が上がるが、3年後に結果が出ていなければ契約終了という条件で、ヘッドハンティングを受けたが、年収700万円の大企業で働き続けることを選択した」という人などもいます。

楽に転職したいなら知り合いの会社へ

最近では「リファラル採用」などと呼ばれることもあります。少しネガティブな表現ですと「コネ入社」というやつです。

知り合いなどに紹介されて転職をしたり、あるいは知り合いの会社に転職で入ったりすることをいいます。

人柄や実績を考慮されて声を掛けられることが多いため、転職活動自体は非常にスムーズに進みます。面接なども「顔合わせ」という性質が強く、落とされる可能性はほぼありません。

いわゆる「コネ入社」では、落とされる可能性は低いですが、「リファラル」と呼ばれる採用手法の場合は、書類審査や一次面接の免除、くらいの軽いアドバンテージのみである企業が多いです。

また、知人の企業だからといって気を抜いてはいけません。一人の社会人として恥ずかしくない態度で面接に挑みましょう。

相手の人柄や企業の実績が安定している場合は、長期的に働ける職場となるのも魅力です。

ただこのような転職形態の場合、知り合いに対してビジネスライクに接することがしにくく、待遇面で不満があっても口にしにくくなるのが大きなデメリットです。また、転職した後で「話が違う」となるケースも多いといった問題もあります。

善意で声を掛けてくる人ばかりではありませんし、またたとえ善意で声を掛けてきた場合であっても雇用される側と雇用する側で認識などに違いが生じる可能性も高いといえます。

採用確実とはいえないが資格は有利

「資格」は、転職において非常に重要な意味を持ちます。

「資格がありさえすれば必ず採用される」とはいえませんが、「資格があれば採用が有利になる」とはいえるでしょう。

世の中には「そもそもその資格がなければ働けない」という業種もありますし、「その資格を持っていればできる仕事の範囲が非常に広がる」という企業もあります。

また、資格を持っている人はそれだけ勉強熱心で向上心があるとプラスに受け止められます。このため、資格は大きな武器となります。

特に未経験の業界や職種に挑戦する場合は、その仕事に必要な資格を取ることをおすすめします。

選考時に有利になるのはもちろん。その業界についても学べますし、向き不向きを転職前に知ることに繋がります。

選考に有利な資格とは

業界を絞らずに言えば、取得すると転職時に有利になる資格としては、「医療系の資格」が挙げられます。

特に医師や看護師の資格は非常に強く、たとえブランクがあっても転職先に困ることはほぼありません。パートタイマーとして働く場合でも高時給が約束されます。

なお、現在は少子高齢化が進んでいるということもあり、医療だけでなく福祉関係の資格を持っている人も重用されます。

また、国家資格は非常に強く、医療系以外のものでも十二分に役立ちます

例えば建築士や不動産鑑定士、電気主任技術者や電気工事士などの建築・電気に関わる資格のニーズは非常に高く、転職に役立ちます。

また弁護士や税理士、会計士の資格を持っていれば働く場所の選択肢は大幅に増えますし、将来的に独立することも視野に入れることができます。

民間資格にも有利なものはたくさんある

民間資格であっても「まったく持っていないよりは有効である」といえるでしょう。

特に美容関係の場合、国家資格の種類が非常に限られているため、民間資格しか持っていなくても勝負できる可能性はあります。

民間資格は受験条件の規定がないものも多いため、「この業界に転職したい」という希望があれば、前職に就いている間にその業界に関係する資格を取得してしまうのもひとつの手です。

アドバイザー
アドバイザー
IT業界では色々な資格がありますので、自分が挑戦したい分野の資格について調べ、勉強するだけでも業界知識や専門知識が身につくことが多いです。

実務経験が重視される場合もある

「国家資格」は非常に強いカードですが、実際の現場においては「資格を持っていることはもちろん、実務経験がないと厳しい」と判断されることもあります。

たとえば国家資格である電験三種は一定の条件を満たしさえすれば取れますが、実際の現場においては「やはり実務経験が欲しい」とされることもよくあります。

IT業界においても、資格よりも「どんな経験をしてきたか」、「どんなサービスを作ったことがあるか」などが重視されることが多いです。

また、エンジニア職では資格よりも「どれだけコードを書いたか」、「どんなプロジェクトに参加していたか」などが重要です。

転職のデメリットを知ることで成功に近づく

転職のデメリットを知ることは、転職のメリットを知ることや転職を有利にするための武器を知ることに繋がります。

情報を集め自分の武器を知り、自分の武器を作り、転職におけるデメリットを克服しましょう。

転職のデメリットを理解し、克服することで転職活動を成功させることに繋がります。