人生において、会社で働くことが全てではないですよね。
- 今の会社が残業続きで辛い
- このまま働き続けては体を壊してしまう
- もっとプライベートの時間も大切にしたい
このような気持ちを感じている場合、「残業の少ない会社で働きたい」という思いが強くなってくると思います。
しかし、残業のない企業とはどのような業種なのだろうか。また、求人情報に記載してある「残業なし」の文言をそのまま鵜呑みにしてもよいものなのか、なかなか自分一人では判断が難しいですよね。
そこで今回は、残業がない(少ない)職業を具体的に提示しながら、残業なしの企業に転職するためのコツをご紹介していきたいと思います。
こちらの記事を参考にして、あなたの求める転職先を見つけてみてください。
残業なしの業種・形態の特徴とは
各業種によって業務形態や仕事の進め方の特色があるように、「残業が多くなりやすい」ものと「残業がない、あるいは少ない」ものに分けることができます。
まずは、残業がない業種や会社の勤務形態などを紹介していきます。
営業時間が決まっているサービス業
営業時間が決まっているサービス業では、接客対応の時間が明確です。片付けやその他業務を踏まえても予め必要な勤務時間が読めるため、残業が発生することが少ない業種と言えます。
しかし、業務で残業が発生している場合、勤務体制が整っていないため、過重労働になっている可能性が高いのでサービス業を選ぶときは勤務形態の実態の確認を怠らないようにしましょう。
定時で上がる習慣の多い事務職
事務職は一般的に会社の中でも一番と言ってよいほど残業の少ない部署と言われています。
それは事務職として働いているのは、女性が多く、子育てとの両立やワークライフバランスがとりやすいというところからもイメージしやすいと思います。
事務職に残業が少ない理由は、以下のようなものが挙げられます。
- 対クライアントの仕事ではなく、人や時間に左右されることが少ない。
- 業務内容が一貫していることが多く、作業時間が一定に保たれる。
- 経験年数を積むことで、より正確性やスピードが増し、仕事をこなす時間が短縮できる。
事務職は会社の中でも決して目立つ職種ではありませんが、なくてはならない存在です。
仕事や人のサポートをすることが好きな人は、事務職を目指してみるのもよいでしょう。
シフト制が導入されている医療介護業界
医療や介護分野では24時間体制の職場でもシフト制を設けており、前提として労働基準法の範囲内で十分な人員を確保しています。
そのため、シフト終了の時間がくれば次のスタッフが勤務に入るため、基本的には残業が発生しにくい状態にあるのです。
ただし、人員が十分に確保できていない企業や急な対応が多い職場の場合は残業が発生することも考えられるので、面接時に勤務実態を確認するようにしましょう。もちろん、質問の仕方には注意してください。
多様な働き方に合わせた制度を設けている企業
近年ではテレワークや時短勤務、フレックスタイム制など、社員のライフスタイルや希望に合わせた働き方ができるように様々な制度を導入している企業も増えてきました。
そういった企業は、生産性の向上やコスト削減という視点でも社員を信頼し、効率良く業務を進めたり残業を減らす取り組みをしていることが多いです。
社風や多様な働き方に惹かれて、優秀なスキルを持った人やワークライフバランスを大切にしたいと思う社員が集まり、働きやすい企業へと成長していくこともあります。
勤務時間が優先されるパート勤務や派遣社員
パート勤務や派遣社員の場合、勤務時間が明確に決まっているため、もし残業が発生する可能性がある場合には、労働条件通知書で事前に明示する必要があります。
特にパート勤務の場合は、主婦や子育て中などで働ける時間の限度に合わせていることが多いため、採用時に、「残業がないことを約束されている」人が多く働いています。
正社員で残業がない(少ない)職業を7つ紹介
では、次に正社員でありながら残業がない、あるいは少ないとされている職業を具体的に7つご紹介していきます。
その中で、興味のある職業がある場合、転職先の候補として考えてみてください。
医療機器メーカーの営業
医療機器メーカーの営業の場合、交渉相手は病院勤務の医師であることが多いです。
忙しい医師への営業には、時間がしっかりと決められないことが多く、医師の空いている時間を見つけて営業に向かいます。そのため、医療機器メーカーの営業は直行直帰が多いです。
また、扱うものの単価も高く、営業成績によって出来高制を採用している企業であれば、効率よく勤務することで残業が発生せずに高い報酬を得ることができます。
事務職
事務職は前の見出しでもご紹介したように、基本的に決められた業務を日々遂行することが多いことや、残業の難しい主婦や子育て世代が多く働いているという環境からも、残業は少ない職種だと言えます。
既に業務のマニュアルがあることが多いため、仕事を覚えやすいことやデスクワークが得意な方には向いています。
女性が多い職場でもあるため、ライフスタイルの変化に合わせて時短勤務やパート勤務など柔軟に対応できることも多く、これからのワークライフバランスを考えていきたい女性などにもおすすめです。
薬局薬剤師
薬剤師の働く薬局やドラックストアなどは、営業時間が決まっているため、残業が少ない職種の一つです。また、専門職であるため給与も比較的高く、年を重ねても長く働けるメリットがあります。
リハビリ専門職
医療や介護の分野で働くリハビリ専門職。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の3つの職業が挙げられますが、これらの職業は、患者さんにリハビリをすることが主な業務であり、その業務は日中に限られます。
一人ひとり対応するリハビリや集団で行うリハビリの時間も決まっていますし、事前にスケジュールを組んで行うため、時間を超過してリハビリ業務を行うということは決してありません。
空いている時間で書類作成やその他の業務を行いますが、ほとんどの職場で残業は少ない傾向にあります。
リハビリ専門職は国家資格になりますが、資格を取得すればプライベートを大切にしながら安定的に働ける職業だと言えます。
オペレーター
オペレーターの業務内容は、電話を受ける受信業務と電話をかける発信業務に分かれます。
どちらの業務にも共通して言えることは、お客様相手であるため、対応する時間が明確に決まっているということです。特に、カスタマーサポートでは平日の日中のみ対応している企業も多いため、残業なしで休日もしっかりと確保できる場合が多くあります。
また、業務内容はマニュアル化されていることがほとんどであるため、未経験でも挑戦しやすいでしょう。
話をすることや説明することが得意な方にはおすすめな職業です。
ホテル・宿泊関連職
ホテル・宿泊関連職は、どの業務を担当するかによって働く時間も変わってきます。
日中のみ働きたい、夜間のみ働きたいという場合には、業務内容が限定される場合があるので、事前に確認しましょう。
そして、業務時間が明確に決まっていることや、シフト制が導入されている所がほとんどであるため、残業を行うことは少ない職種であると言えるのです。
BtoBメーカー職
BtoBメーカーとは、一人ひとりの個人消費者に提供するのではなく、企業に対してモノやサービスを提供する仕事です。
BtoBメーカーは素材や部品メーカーなどで、長年勤めている社員を筆頭にした労働組合がある企業が多いです。
そのため、働きやすい職場環境である企業が多く、特に業務がルーティン化しているルート営業では残業が少ない傾向があります。
求人に記載されている「残業なし」の落とし穴
求人情報ではよく見かける「残業なし」の文言。ほとんどの方に魅力的に映ると思います。
しかし求人情報の中には、「残業なし」を鵜呑みにしてはいけない落とし穴が隠れている場合も少なくはありません。
今回は、そんな「残業なし」の落とし穴を見つけるためのポイントを説明していきます。
求人情報と実際の労働環境が違う
よくありがちなのが、求人情報では企業にとって良い部分だけを記載しているため、実際採用されて働くと、労働環境が違ったという場合です。
実際にはほとんどの社員が残業をしていても、残業なしに見せるトリックが隠されています。
- サービス残業を強いられていてデータ上は残業がほとんどないように見せているブラック企業
- 残業が多い部署があったとしても、会社全体での平均値を記載している
- 入社して始めの期間は残業がない
そもそもブラック企業であるのか、人材を確保したいために一部分だけを記載されているのかしっかりと見極めた上で判断しなければなりません。
フルタイム勤務で年間休日数が105日以下の場合は要注意
厚生労働省の調査では、2018年の年間休日数の平均は113.7日と言われています。
年間休日数が120日という数字は求人でよく見るかと思いますが、例えば2021年の土日祝を休日とすると年間休日数は118日あります。
年間休日数が105日というのは、土日が完全に休みだとしても、祝日は出勤したり、夏季休暇や年末年始の休暇が別途用意されていないということになります。。
そう考えると、年間休日数が105日以下の場合は、過酷な労働環境である可能性があるため、業務内容や休暇の取り方などを事前に確認する必要があります。
下記のサイトを参考に、営業日数計算表を計算してみるとよいでしょう。
繁忙期には残業が発生する場合も
基本的には残業がないという企業でも、繁忙期があり、その時期はほとんどのスタッフが残業をすることが当たり前という場合も多くあります。
その繁忙期が年に1回なのか、毎月なのかで労働環境はかなり異なると思います。
年に1回の繁忙期のみの残業であれば許容できるのか否か、自分の状況を明確化することや、残業することが難しいのであれば、柔軟に対応してもらえる職場であるのかを事前に企業側に確認しておく必要があるでしょう。
サービス残業やみなし残業が悪用されるケース
サービス残業とは、業務終了時に一度タイムカードを切るなどして所定労働時間を超えて働いても残業代がもらえないことです。
みなし残業とは固定残業代制度のことで、想定される一定時間分の残業代を固定で支払う制度のため、企業側にも従業員側にもメリットのある制度です。
しかしこの制度を悪用して、実際には一定時間分の残業時間を超えているにもかかわらず、正しく残業代が支払われない場合も少なくはありません。
そのため、求人票に「残業なし」と「みなし残業」がどちらも存在する場合は、「残業時間の確認」を行いましょう。
転職活動中に残業がない(少ない)有力企業かを見極める方法
残業なしと書かれた求人情報は意外とたくさんあります。
そんな中から本当に残業がない、あるいは残業が少ない有力企業を見つけ出したいものですよね。
数ある求人・企業の中からそんな有力企業を見極める方法をご紹介していきます。
多様な働き方に合わせた制度があるか確認する
業績が安定していたり労働環境がホワイトな企業は、情勢や社員一人ひとりの状態に柔軟に対応し、多様な働き方ができるような制度を複数設けています。
近年導入されることが多くなっている制度をいくつかご紹介します。これらのような多様な働き方を推奨しており、社員一人ひとりを信頼してくれる企業は、比較的残業が少なく、有力企業であると言えるでしょう。
フレックスタイム制
決められた総労働時間の範囲内で、始業・就業時刻を労働者自身で自由に決められる制度です。
フレックスタイム制を利用していても、一定の労働時間を超えた場合には、残業代が発生します。
短時間勤務
短時間勤務は、3歳未満の子どもがいる家庭などいくつかの条件を満たした労働者が利用できる制度です。
テレワーク
2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、テレワークが広く普及することとなりました。
テレワークは、更に4つの働き方に分類することができます。
- コワーキングスペースやサテライトオフィス勤務
- モバイルワーク
- 在宅勤務
- ワーケーション
これらの柔軟な働き方を推奨している企業は、社員を信頼してくれていたり、業務効率化を進めて残業をなくす取組みをしている企業が多いです。
テレワークについて、詳しくは一般社団法人 日本テレワーク協会のホームページを参照ください。
実際に働いている人の話を聞く
企業の社風の中で社員のことを大切にしてくれている企業は基本的に残業が少ない傾向にあります。
企業側が積極的にプライベートな時間の確保やワークライフバランスも考えてくれて、残業が発生しないような業務体制や人員配置を行ってくれていることが多いです。
社訓や実際に働いている方の話を聞くと実状を知ることができるため、面接時やオファー面談時に現場の社員との面談を打診してみましょう。
社員の男女比や年齢層のデータを確認する
ホームページや実際の企業見学などで、男女比やどの年齢層が多く働いているかという点を見ることも大事です。
幅広い年齢層、特に女性が多く働いている職場であれば、主婦や子育て中の方なども多いはずです。
そういった方は必然的に残業が難しい場合が多いので、子育て世代や幅広い世代の女性が働いている職場で「残業なし」という記載がある場合には、信用できるポイントとなるでしょう。
オファー面談時に残業の有無について質問してみる
求人で「残業なし」との記載があったとしても、何かしらの方法で確認する必要はあります。
直接残業の有無を社員の方に聞くということが手っ取り早く、信憑性もあります。ただし、注意してほしいのが、面接時に直接的に残業の有無を質問することは面接官からあまり良い印象を持たれないということです。
できれば、内定承諾前のオファー面談時に残業の有無を確認したり、繁忙期の確認やその時の対応はどうしているかという質問をすると、残業事情を知ることができるでしょう。
転職エージェントに確認してもらう
直接企業側に確認できることが一番ですが、なかなか聞きにくい方も多いと思います。
そんな時は、転職エージェントに間に入ってもらい、残業の有無を確認してもらうことをおすすめします。
直接聞きにくい質問であっても、転職エージェントは上手く企業側の方と話し、実状や条件等を伝えてくれる場合があります。
残業なし有力企業への転職の実状
有力企業は誰しもが働きたいと思う狭き門。
そういった企業に転職することは実際可能なのか、転職の実状をご紹介していきます。
20~30代の場合
20~30代は転職する人が多い年代でもあるため、転職自体はそう難しくありません。
しかし、採用されやすいといっても企業を十分に調査せずに転職先を決めるのは危険です。
中には20代、30代の経験を積んだ若手を採用するためにホワイト企業を装った求人も存在します。
自分を客観視し、高待遇すぎる条件だと思う求人は調査を念入りに行いましょう。
40代の場合
40代の転職の場合は今までの経験やスキルを活かし即戦力として活躍することが求められます。
残業のない有力企業への転職となった場合には、異業種の転職となるとより現実は厳しいくなります。
数は少なくとも、管理職や役職候補を募集している企業も存在するため、同業種や今までのスキルを活かせる企業であれば、好条件で採用されることもありますので、その方向性で転職先を見つけることをおすすめします。
40代の転職で残業の少ない有力企業に就職するのは困難ですが、この年代の方は家族の問題などで「どうしても残業できない理由」がある方が多いと思いますので、焦らずじっくり企業を探していきましょう。
女性の場合
女性の場合は、残業なしの企業に転職する際、やはり働きやすい業種を選択する必要があります。
スキルや業務に活かせる資格を保有していると比較的好条件の有力企業に転職することもできるでしょう。
また、特に資格やスキルをもっていなくても、事務系やオペレーターなど残業の少ない業種に転職することも可能です。
転職成功のためのコツ4つ!
では実際に転職を成功させるためには何をすればよいのか、具体的なコツを4つご紹介します。
ぜひこちらを参考に、転職活動を進めていってください。
条件の優先順位を整理する
転職が上手くいっても、いざ働いてみたら自分と合っていなかった、働きずらかったとなってしまっては、転職を繰り返すことになってしまいます。
納得のいく転職となるように、まずは自分の仕事や企業に求める条件を整理し、優先順位をつけていく必要があります。
- 柔軟な働き方ができる職場か
- 仕事のやりがいか
- スキルやキャリアアップか
- 給与や待遇か
上記のように、自分や家族とのライフスタイルの中でどれが一番重要か、はたまた妥協できるポイントは何かを、整理した上で転職先を探していくと、自ずと自分の求める企業が見えてきます。
転職先の求める人材像・スキルを把握した上でアピールする
ここで働きたいと思える企業が見つかったら、その企業が求める人材像やスキルを把握しましょう。
その点をしっかりと理解した上で、面接時に自分の強みや活かせるスキルを伝えることで、企業側の印象は各段に良くなります。
そのためには、自己分析をすることが大切です。
今まで自分はどんな経験を積んできて、どんなスキルを獲得してきたかを分析し、、転職を希望する企業に就職出来た場合には、どのように貢献していくことができるのかをアピールしましょう。
これまでの実績や今後活かせることなど、具体例を提示しながら伝えることでより信頼感が生まれやすくなります。
転職エージェントを活用し、採用条件などの交渉をする
転職先に内定をいただく際、給与面や待遇、残業の可否など直接言いにくいこともあるかと思います。
どうしても家庭の事情などで残業できない場合には、転職エージェントを活用して、条件交渉などをしてもらうこともおすすめです。
働いてからではなかなか言いにくいこともありますので、事前に条件のすり合わせをしておくことが大切です。
納得のいく環境で働き続けるために
「残業なし」という言葉の裏には様々な事情が潜んでいる場合があります。
誰しも条件が良い企業、残業がない企業に転職をしたいと願っていると思います。そんな中で大切なことは、求人情報だけを鵜呑みにするのではなく、しっかりと企業を見極める視点を持つことです。
条件を整理したり、アピールの仕方を工夫することで、残業のない有力企業への転職も不可能ではありません。
納得のいく転職ができ、働きやすい職場で働き続けられるよう、ぜひ転職活動を頑張ってみてください。