転職時の悩み

面接が下手な面接官にはどう対応したらいい?面接時の企業の裏側をもとに解説します!

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この記事をご覧になられた方は以下のようなお悩みはないですか?

  • 「面接官の態度が悪い時、どのように対応したらよいのだろう」
  • 「面接官の質問の意図がわからず(下手)で、上手くアピールができなかったけど、次はどうすれば良いのかな」

今回は、人事部門で面接官もしている筆者が、面接が下手な面接官の特徴や対応方法を具体的に紹介します。

この記事を読むことで、面接官の面接スキルに左右されずに、面接であなたの力を最大限発揮できるようになるはずです。

面接官は面接のプロではない

対面やオンラインといった形式に関係なく、面接は緊張しますよね。みなさんの前に座っている面接官も、何人もの応募者を見抜いてきた面接のプロとして映るかもしれません。

しかし、面接が下手な面接官は存在します。

面接が下手な面接官がいる理由は、「多くの企業には面接のプロがおらず、面接官を育成する仕組みがないから」です。

また、面接の経験数は面接スキルには「直結しない」からです。その理由を、以下で具体的に説明します。

1.面接官の正体は、「人事」もしくは「各部署の社員」

企業で面接を担当する社員は、「人事部の社員」もしくは「各部署の社員」のどちらかです。

面接の段階によって、どちらが対応するかどうかは企業によって異なります。一般的には、一次面接は人事部の面接官が対応し、二次面接以降では各部署の面接官が対応することが多いです。

また、一次面接から最終面接まで人事部の面接官が必ず同席している場合もあります。

面接官としてアサインされる各部署の社員は、応募者が採用後に配属される可能性の高い部署の社員、もしくは、配属を希望している部署の社員が対応するケースが多いです。

アドバイザー
アドバイザー
部署の社員の方が出てきたときは、「入社後はこの人と一緒に働く」ということを意識しましょう。

2.面接官は面接の訓練を受けているわけではない 

先ほど説明した通り、各部署の面接官であれば、通常の業務と並行して面接に対応しなければいけません。

また、各部署の面接官は人事からの「協力依頼」という形で、ほぼボランティアで面接官を担当しているケースがほとんどです。

そのため、多くの企業では面接官の育成に時間をかけられるはずがなく人事が用意したマニュアルから、面接の一連の流れと質問の具体例を読んで学び、面接官として面接をします。

3.経験豊富な面接官=面接が上手ではない

また、面接官としてデビューした後も、面接のフィードバックを受けたり、面接の基礎を学び直したりする機会はありません。

そのため、面接スキルの向上は面接官本人の自主性にかかる部分が大きく、面接が下手な場合は、それに気づかずに面接の経験だけが増え続けます。

面接が下手な面接官の特徴

では、面接が下手な面接官の特徴を、質問例をもとに解説していきます。また、下手な質問をしてしまう理由についても見ていきましょう。

アドバイザー
アドバイザー
面接官から下手な質問をされた場合も、質問の理由を理解することで的確な回答が可能です。

会話が一方通行で、回答の深掘りをしない

質問ばかりで面接がESや履歴書の確認作業の時間と化してしまうのは、下手な面接官の特徴です。

面接が作業化してしまう理由は、事前の準備不足によってESや履歴書に目が通せていないことが原因です。

(例)自分の聞きたいことだけを質問し続ける

面接官
面接官
あなたのこれまでの職務経歴を教えてください
求職者
求職者
はい、私は新卒入社した●×商事で3年ほど営業担当として勤めて参りました
面接官
面接官
わかりました。次になぜ転職を検討されたのか教えてください。
求職者
求職者
はい、今の会社では役職につくには経験年数が重視されるため、若手にチャンスがなく、自分が理想とするキャリアの実現が難しいと感じたためです。
面接官
面接官
わかりました。では、なぜ弊社を志望されているのか教えてください
求職者
求職者
・・・

上記のように、求職者の話を広げることをせずに、自分が聞きたいことだけを話し続ける面接官には要注意です。

面接中に過剰なプレッシャーをかけてくる

次に、面接中に明らかに威圧的・否定的な態度や意地悪な質問をするのも下手な面接官の特徴です。このように態度や質問によってプレッシャーをかける面接は、圧迫面接と言われます。

企業が圧迫面接をする理由は、以下の2点が挙げられます。

  • 応募者のストレス耐性を測る
  • 応募者の人となりがわかる

しかし、採用の現場では「圧迫面接ではストレス耐性や人となりがわからない」ということが定説となっています。

そのため、圧迫面接をする会社はこの定説を知らないか、独自の方針を持って実施している会社といえます。

アドバイザー
アドバイザー
企業によっては意図的に圧迫面接を行う企業もあります。そんのような企業がすべて悪いわけではないです。圧迫面接をされたとしても毅然とした態度で臨みましょう。

(例)発言に対して「なんで?どうして?」を繰り返す

面接官
面接官
あなたの強みを教えてください。
求職者
求職者
はい、私は●●という強みがあります。
面接官
面接官
なぜそれがあなたの強みなの?
求職者
求職者
はい、私は今の会社で××という経験をしました。その中で●●という強みを活かして困難を乗り越えました。
面接官
面接官
なんで?その経験は本当にあなたの強みを活かして乗り越えたの?
求職者
求職者
・・・

このように、回答内容を無理に追求したり、根拠の提示を強制するのは求職者を萎縮させてしまいます。面接に慣れていない、または、間違った知識で面接を行っている面接官である可能性が高いでしょう。

圧迫面接ではなくとも、回答内容に合わせて追加質問されることは多いです。「なぜそう思ったのか」、「なぜその行動をとったのか」など行動理由や発言理由は回答できるように準備しておきましょう。

応募者の人となりを決めつけている

応募者の学歴や職歴、性別、年齢に対して面接官の先入観を交えた質問をしてしまうのも、下手な面接官の特徴です。

面接官が先入観を交えて質問をしてしまう理由は、確証バイアスの働きがあるからです確証バイアスとは、自分の先入観や仮説を肯定するような、自分に都合のよい情報ばかり集めてしまうことを言います。

面接では、面接官が、履歴書やESの学歴情報や応募者の第一印象から応募者の人となりを決めつけ、それに沿った情報しか集めなくなることがあります。

(例)確証バイアスの働きによる先入観

  • 転職経験が複数あるけど、うちもすぐ辞めちゃうんじゃないの?
  • 今あなたが勤めている会社って●●な人が多いでしょ?うちの社風に合うかなあ
  • 女性だから結婚とか子育てとかで、キャリアアップは難しいんじゃない?
アドバイザー
アドバイザー
面接官によっては、上記の先入観をそのまま質問として投げかけてくる方もいます。入社後に一緒に働く方としては印象はどうしても悪くなってしまいますよね…。
直接的ではないにしても、柔らかい言い方で上記先入観による質問が行われることもあるでしょう。そんなときは否定的な表現を使わずに「○○と思われる方も多いのですが、実際のところは〜」などといった表現で共感しつつも先入観を訂正するような回答を行いましょう。

面接官が人事からチェックしてほしいと言われるポイント

次は、各部署の面接官が人事から面接のときに確認してほしいと言われるポイントを紹介します。

面接官によっては、人事からのチェックポイントをストレートに質問してしまい、応募者を不快にさせるかもしれませんが、その質問には以下のような意図が隠されています。

アドバイザー
アドバイザー
面接官に対して違和感を感じるのは、人事と各部署の社員で聞きたいことの乖離があるためです。まずは人事側の確認項目を見ていきましょう。

長期雇用が可能かどうか

特に大手企業ほど顕著なのは、「長く安定的に働ける人材であるか」ということを重視します。

企業が長期雇用が可能かどうかにこだわる理由は、種々ありますが、そのうちの一つとして採用コストがあります。

企業が中途採用者を1人雇うためには、およそ百万〜数百万円ほどかかると言われており採用は会社にとっては大きな出費です。

事業規模を維持するためには雇用者数を維持する必要があるので、社員が退職すれば人を採用しなければなりません。

毎年多くの社員が退職していては、それだけ採用コストもかかってしまうため、できるだけ長く安定的に働ける人材を雇うことは会社にとって大きなメリットがあります。

精神面の安定性

先ほどは、企業が「長期的に働ける人材であるかどうか」を重視することについて説明しました。長期雇用に関連して、「精神面の安定性」も面接官が確認するポイントの一つです。

具体的には以下の点で、精神面で安定的な人物かどうかを確認します。

  • 転職理由に、精神面での不調が原因となっているか
  • 過去に精神面での不調が原因で休職した経験がないか
  • うつ病などの精神疾患を発症したことがあるか
アドバイザー
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これらの項目は、確認する際の質問が難しいのできちんと準備されていない企業の面接官はストレートに質問してしまうこともあるでしょう。

質問されたときは、「事実と現状、今後気をつけていること」などを具体的に説明し、嘘をつかないように回答しましょう。

基本的なコミュニケーション能力

面接では、仕事上で必要になる基本的なコミュニケーション能力も確認しています。企業が求めるコミュニケーション能力は、以下の2点です。

  • 伝えたいことをわかりやすく簡潔に話すことができる
  • 相手の言うことを理解し、適切な回答ができる

面接官は、志望理由や強みに関する質問のなかで、受け答えの仕方や質問意図に沿った回答ができているかどうかも確認しています。

また、言うまでもないですが、話していて好感の持てる服装や態度についても確認されているので忘れずに注意しましょう。

職種の適性

最後に、職種の適性についてです。この項目は、主に各部署の面接官が確認します。各部署の面接官が見ているポイントについては、次章で詳しく説明します。

アドバイザー
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先程お話した「人事と各部署との聞きたいことの違い」の大きな乖離がこの点です。

各部署と人事で異なる面接官の本音

実際は、各部署の面接官と人事部の面接官で面接のときに知りたいポイントが異なります。それぞれを具体的に説明します。

アドバイザー
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各部署社員が確認したいポイントを優先してしまうため、人事から確認依頼されている項目の質問がおざなりになってしまうことが多いです。

各部署の面接官の本音は、「職種の適性があるかどうか」が知りたい

各部署の面接官の本音は、「職種の適性があるかどうか」が気になっています。もっと言えば、「一緒に働けそうな人を採用したい」というのが本音です。

なぜなら、応募者が面接で採用されれば、自分の部署に配属されて一緒に働く可能性が高いからです。そのため各部署の面接官には、とにかく「気に入られること」が大切です。

単純に「気が合いそう」「雰囲気がうちで働く社員と似ている」といった理由だけではなく、

  • 「素直だから教えたことをすぐに吸収して、伸びしろがありそうだ」
  • 「任せたいと思っている仕事と似た経験が豊富で、入社後に活躍できそうだ」

といった理由で各部署の面接官に気に入られる場合もあります。

アドバイザー
アドバイザー
「気に入られる」といっても媚びを売ったりする必要はありません。「あなた(面接官)にどうやって貢献するのか」をアピールすることを意識しましょう。そのためには面接官の方の業務内容などを聞くなどするのも良いでしょう。

人事部の面接官の本音は、「働く上で基本的な問題がないかどうか」が知りたい

一方、人事部の面接官の本音は「自社にリスクとなるような人物を採用しない」ということです。

人事部の面接官は各部署の面接官と違い、部門の業務についての専門家ではありません。

各部署の面接官が「自社で活躍できそうか」という目線で応募者と面接する一方で、人事部の面接官は「自社にとって雇用面でのリスクがないか」という点を重視して面接しています。

例えば、ESや履歴書に転職回数が複数ある場合は以下のようにリスクを想定し、応募者に質問します。

コミュニケーション能力に問題があるのではないか?

→以前の職場で人間関係のトラブルがあった可能姓があるので、うちに入っても同じトラブルを起こすリスクがある。退職理由を質問してみよう。

精神的に不安定なのではないか?

→以前の職場でも精神的な疲労から退職となった可能性があるので、うちに入っても長期的に働けるかどうかという点でリスクがある。仕事の振り方や指示の出し方に配慮が必要な場合もあるので、質問してみよう。

大切なのは、真摯に回答すること

人事部の面接官や各部署の社員から、これまでの経歴や転職理由について質問された場合は、できる限りESや履歴書に記載したことに忠実に答えるように意識しましょう。

面接が下手な面接官への対応方法

最後に、下手な面接官が担当者だったときの対応方法について解説します。

聞き方には注意が必要ですが、面接官の質問に違和感を感じた場合は、質問の意図を聞いてみるのも一つの手です。

 

一方通行の面接は、答える時に自分の強みに繋げて話す

面接官の準備不足により、質問ばかりで会話が一方通行になってしまった場合は、答えるときに自分の強みを関連させて答えましょう。

具体的には以下のようなイメージです。

面接官
面接官
なぜ転職を検討されたのか教えてください。
求職者
求職者
はい、今の会社では役職につくには経験年数が重視されるため、年齢問わず平等にチャンスをいただける御社への転職を決意しました。

【+α】また、御社でなら私の強みである●●と、前職で培った経験を活かしさらに活躍の場を広げることができると考えたからです。

注意点は、【+α】にこだわりすぎて回答が長くなりすぎないようにすることです。あくまで質問の意図からはそれないように簡潔に答えるように意識しましょう。

圧迫面接時はめげずに自己アピール、場合によっては辞退も

面接官が威圧的・否定的な態度や意地悪な質問をしてプレッシャーをかけてきた場合は、態度を変えずに毅然として自己アピールを続けましょう。

具体的に意識することは、以下の通りです。

  • 感情的にならず、冷静な態度を取る
  • 前向きに回答する
  • 面接官を否定しない

また、怒鳴る等の過度なプレッシャーをかけてきた場合は辞退も検討しましょう。採用後に、同じ職場で働く可能性の高い部門の社員が面接官である場合が多いため、少しでも違和感を感じた場合は、辞退するのがベターかもしれません。

面接官の偏った質問には、ありのままを伝える

学歴や職歴、性別、年齢について面接官の先入観に沿った偏りのある質問をしてきた場合は、自分を偽らずに正直に答えましょう。

具体的には以下を参考にしてみてください。

例1:退職リスクを気にされた場合

 

面接官
面接官
転職経験が複数あるけど、うちもすぐ辞めちゃうんじゃないの?
求職者
求職者
たしかに転職経験は複数ございますが、どのような商材でも営業できるスキルを身につけたいと考え、複数のメーカーにて勤務をいたしました。御社では多様な製品を取り扱っているため、この経験が活かせると考えています。

例2:女性への偏見が含まれる質問の場合

面接官
面接官
女性だから結婚とか子育てとかで、キャリアアップは難しいんじゃない?
求職者
求職者
今後のライフプランは検討段階ですが、御社には仕事と子育てを両立されている社員さんが大勢いらっしゃるため、安心して仕事に取り組めそうだなと感じております
アドバイザー
アドバイザー
特に例2の質問などは面接の場でストレートに聞いてくる企業は問題だと思います。ただ聞き方はどうであれ自分の意思を毅然とした態度で伝えましょう。

面接官は面接のプロではない

いかがでしたか?

採用面接について、企業の裏側をもとに解説してきました。これから面接をする方に知っていただきたいのは、「面接官は面接のプロではない」ということです。

しっかり対策をした場合でも、面接官によって回答のしやすさが異なるため、面接が上手くいかなくても落ち込みすぎず、次の面接へ準備を進めてくださいね。

面接が上手くいくかどうかは、面接官の質問によって、いかにあなたの強みや良いところを引き出せるかにもかかっていますが、回答するのはあなた自身です。

みなさんが面接で最大限のパフォーマンスが発揮できるよう、応援しています!