転職時の悩み

転職・妊娠の理想のタイミングは?知っておくべき転職事情と制度&給付金

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昨今の日本では、働き方改革や女性活躍を推進する政策がとられ、益々女性の仕事上での活躍が期待されています。それを受けて、女性たちはもちろん仕事のやりがいを感じ、一人の自分としてのキャリアアップや将来性をも見据える方が増えてきました。その一方で、女性たちは、結婚や妊娠、子育てなどの大きなライフステージの変化にも左右されやすく、仕事と妊娠というものが切っても切り離せない問題となってきました。

特に、キャリアアップや今後妊娠・子育てを見据えるために転職を考えた時、転職と妊娠のタイミングやそれに伴う制度・給付金についてなど、知っておくべきことがたくさんあります。今回は、転職と妊娠のタイミング別対処法と理想的な時期についてご紹介していきます。

転職活動中に妊娠がわかったとき

妊娠や子育てを見据えて、転職活動を始めた矢先に妊娠が発覚。喜ばしいことですが、

「既に元の会社は辞めてしまって戻ることはできない。」

「妊娠しながらの転職活動なんてできるの?」

「転職先にはどう伝えたらよいのだろうか?」

「既に内定をもらっている場合、妊娠を伝えるべき?」

など、不安やわからない点が山積みだと思ます。そんな心配事を一つずつ解消していきましょう。

転職先への対応方法

転職活動中に妊娠がわかった場合、

  • 一旦安静に過ごし、早く転職をすることが大事なのか。
  • 仕事を一定期間お休みしても、この妊娠を大事にしたいのか。
  • 妊娠しながらでも働ける職場を探したいのか。

ゆっくりと考える時間をとりましょう。

妊娠していることを知って、初めての職場に採用してくれるという企業はなかなか多くないのが現実です。ただ、面接や実際の採用担当者との面談などを一旦ストップするというだけで、転職先を探したり、履歴書を練ったりと安静に準備できる転職活動をこの時期に行っておくことはできると思います。体を大切にし転職活動をどうしていくか、今無理なくできることをゆっくり進めていってください。

既に内定がもらえている状態で妊娠が発覚した場合は、速やかに企業側に報告することをオススメします。例え、隠して入社したとしても、妊娠の時期はいずれわかりますし、働き始めてからの信用を損ねることにも繋がります。

妊娠していることを伝えた上で、

  • 自分のできること
  • 出産後の働き方

などをしっかりと企業側に伝えた上で、配属先や仕事内容を調整していただくことが必要です。

また、それが企業側としても今後長く働いてくれるかという信頼にも繋がることになります。

妊娠中でも転職できる仕事を探す

職場の状況や特定の資格を持っているという場合、妊娠中でも採用してもらえる場合もあります。

  • 人手が足らずに、事務作業など無理のない仕事でも手伝ってほしい
  • 医師・看護師や飲食店での食品衛生責任者などの特定の資格を有しており、企業側がその資格保有者を必要としている

例えば上記のような場合です。その場合は妊娠していることを伝えた上で、できる仕事を無理なく行うことを話し合い、採用してくれることもあります。

妊娠が既にわかっている場合に転職をする際、大事なポイントで、

  • いつまで働くことができて、仕事復帰の時期はいつなのか
  • 預け先(保育園等)は決まっているのか

という2点が企業側としても大事になってきます。

最近では待機児童問題も深刻となっているため、仕事復帰をしたくても、保育園に預けられずに復帰目途がつかないということも少なくはありません。出産後もしっかりと仕事復帰をして企業に貢献できることを補償するために、預け先を確保しておくのはとても重要となってきます。

市町村によっては、出産前から保育園の申込みができるところもあるため、お住まいの市町村の役所に問合せをするとよいでしょう。

転職後すぐに妊娠がわかったとき

めでたく転職先が決まり、働き始めて間もない時に妊娠が発覚。おめでたいことではありますが、なんとなく職場に申し訳ない気持ちになったり、妊娠の事実をいつ伝えるべきなのか、そして大事な産休・育休は取得できるのかなど、不安に思うと思います。所属企業の福利厚生や利用できる制度などの大事な情報を理解した上で、職場への伝え方を検討しましょう。

職場への対応方法

基本的には、妊娠がわかった場合、安定期に入った妊娠4~5ヶ月の時に報告することが多いとされていますが、仕事内容や産休・育休取得の可否も含めて、上司や今後手続き等が必要となってくる事務スタッフには安定期を待たずに早めに報告するとよいでしょう。妊娠初期では、つわりなど体調変化もありますし、無理は禁物なため、場合によっては仕事内容を変更してもらう必要が出てきます。

妊娠の報告をする際のポイント

妊娠の報告をする際に大切なことは、

  • 伝える順番
  • 謙虚な姿勢
  • 今後の働き方を見据えていること

この3つです。妊娠は女性の当然の権利ではありますが、転職直後の妊娠では、少なからず職場に配慮をしていただくことは避けられません。謙虚な姿勢で、まずは直属の上司に報告すること。そして、産前いつまで働くことを考えているか、働き方で変更は必要か、出産後復帰はどのように考えているかなど、考えられる範囲で、今後のことを見据えて、上司に伝えられるようにしておきましょう。妊娠の伝え方によって、上司の理解や今後の信頼度が変わってくるでしょう。

入社直後でも産休・育休は取得できる?

産休とは、出産予定日の6週間前から取得できる産前休業と、出産翌日から8週間取得する産後休業を合わせて呼ぶもので、労働基準法における母子保護規定で定められています。そのため、転職直後に妊娠した場合であっても、産休を取得することは可能です。

育休とは、育児休業の略で、子どもが1歳になるまでの期間、育児のために休業できる制度です。そのため、原則は転職直後に妊娠がわかった場合でも取得できることはありますが、育休取得に関しては、以下の要件の労使協定を企業側で結んでいるところも多くあります。

①同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている

②子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる

③子どもの2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでない

(※注)こちらの要件は厚生労働省より引用しています。

このような場合は育児休業の申出をした際に、転職して1年が経過していないと育休は取得できないということになります。

産休や育休の決まりは職場により違いがあるため、詳しくは厚生労働省の資料をご確認の上、職場の担当部署に問い合わせてみてください。

妊娠・出産に伴う給付金を理解しよう

妊娠・出産の場合、妊婦健診や出産費用、休業中のお金など、出費も多く、その都度使える給付金もあります。給付金については、知らないと妊娠に躊躇してしまったり、今後の働き方を考える上でとても重要となってくるので、正しく理解して、有効に使っていきましょう。

出産手当金について

出産手当金とは、産休中にもらえるお金です。産休中ということで、こちらは、雇用されていて、会社の健康保険に加入している方に限ってもらえるお金になります。具体的な金額は全国健康保険協会によって、下記の計算式と決められています。

1日当たりの金額:支給開始日の以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3) (※注)

(※注)引用:全国健康保険協会

例えば、月給が25万円の人は、

25万円÷30日×2/3=約5,555円

約5,555円×98日(産前産後の日数)=544,390円

を出産手当金として受け取ることができます。

育児休業給付金について

育児休業給付金は、基本的には子どもが1歳になるまで(保育園に入れないなどやむを得ない理由がある場合は1歳6か月または2歳まで)育休中にもらえる給付金です。

もらえる金額としては、育児休業開始日~6か月までは1ヶ月の賃金の67%、6か月からは1ヶ月の賃金の50%が給付されます。

しかし、育児休業給付金に関しては、ちょっと複雑な条件がいくつかあります。

  • 雇用保険に加入している
  • 出産前に1ヶ月の中で11日以上働いた月が12か月以上あること

などが定められているため、転職後すぐに妊娠した場合には、育児休業給付金をもらえない可能性があります。

育児休業給付金をもらえるか、もらえないかでは、かなり金銭的負担が変わってきますので、詳しくは職場の担当部署またはハローワークへ問合せてみてください。

出産育児一時金について

出産育児一時金は、働いていない人でも健康保険に加入している方であれば、出産にかかる費用として1児につき42万円が受け取ることができます。受け取るといっても、出産する病院によっては、協会けんぽから直接医療機関に直接支払うことができるため、安心して出産ができるという制度になります。

そのため、出産育児一時金に関しては、転職直後に関わらず、仕事をしていない専業主婦でも受け取ることができるのです。

理想的な転職&妊娠時期とは

今後妊娠や子育てを見据えながら、自分のキャリアアップや働き方のために転職を検討している方も多いと思います。妊娠は授かりものですから、時期を考えても全てがそう上手くいくわけではないですが、理想的な転職・妊娠の時期があるのであれば知りたいですよね。一つの目安として、理想的な時期と理由についてご説明していきます。

転職後の理想的な妊娠時期

一番理想的なのは、新しい職場に転職をして、1年経過した後に妊娠するというのが理想的だと言えます。その理由として挙げられるのは、以下の3点です。

  • 職場での人間関係が構築されて、仕事内容もある程度覚えられるようになっている
  • 会社側としても、働く意思や信頼が得られて安心できる
  • 育休や育児休業給付金をもらえて安心して子育てに専念できる

会社側も心から妊娠をお祝いできる心境になっていて、あなた自身も、職場からの反応や育休・給付金の心配をせず、快く妊娠・出産に望める時期だと言えるのです。

ですが、これはあくまでも理想ですので、妊娠した時期が早くなったからといって、それは当然祝うべきことですし、後悔することは決してないということをお忘れなく。

妊娠を希望している人の転職活動で気をつけるポイント

結婚して、これから妊娠を望んでいる時期での転職では、不安や悩みを多く抱えているあなたと同じように、受け入れる企業側も、

「この人は、妊娠をしてすぐ働けなくなってしまう(辞めてしまう)のではないか」

「長く働いてくれるのだろうか」

という心配を抱えています。面接時や採用されてから、その点を聞かれる場合もあります。あなた自身、妊娠を希望しているが、出産や子育てをがんばりながら、仕事も両立させていきたいことや、子どもが生まれた後もどういった働き方をしたいか・できるのかをしっかりと見据えて、伝えられるようにしておきましょう。

妊娠希望者が転職先を選ぶポイント

また、妊娠を希望している場合、転職先を選ぶ上で大切なポイントがあります。

転職先の職場が、子育てと仕事を両立しやすい職場であるかということをしっかり見なければいけません。

見極めるポイントとしては、

  • 職場に子育て中の人が多く務めている
  • 妊娠や子育てに理解のある職場で、出産後子育て状況に合わせた働き方の変更ができる(パート勤務や短時間勤務などの変更ができる)
  • 上司が妊娠や子育てに理解がある

面接時から、「妊娠・出産した場合に休みがもらいやすいですか?」などと質問すると、受け入れる企業側としても、マイナスの印象をもたれやすいです。質問の仕方を前向きに変えてみたり、見学の際に働いている年齢層などを観察することで、子育てに理解のある職場かを見極めることが大切です。

自分の本当に大切にしたいものを考えよう

転職や妊娠のタイミングを考える上で、大切なことは、あなたや周りの家族にとって、何が一番大切で何が譲れないポイントなのか、どの条件は妥協できるのか、優先順位を整理することが大切です。

夫婦共働きが多いこの世の中で、女性も働く環境はとても大事です。そんな中で女性の妊娠や出産・子育ては、後回しには出来ない問題で、仕事と妊娠について考えることはとても大切な問題です。

今は働く環境を整えて、落ち着いてから妊娠・出産に望むのか、はたまた、妊娠をずっと希望してきた中で、妊娠を第一に転職を考えるのであれば、体や心に負担のない職場を選ぶのか、大切な人とじっくり話してみてください

不安を一つでも解消するために、こちらの記事を参考にして、大切な情報を理解した上で、後悔しないようこれからのことを考えていってほしいと思います。