転職をした際、誰しもが大なり小なりストレスを感じます。
転職を機に変わることが多いからです。
- 仕事内容が変わる
- 職場の人間関係が変わる
- 生活スタイルが変わる
このように、変化する事が多い転職には、ストレス要因も多く潜んでいます。そんな中でも、そのストレス要因は何なのか、同じように他の人も感じるものであるのか。
自分に合ったストレス解消法を見つけることで、気が楽になり、先の見える戦いとなり、少しでも前を向くことができるのではないでしょうか。
今回は転職におけるストレス事情と解消法についてご紹介しますので、こちらの記事を参考にして、このストレスを上手く乗り越えていきましょう。
転職後のストレスはいつまで続くか
転職後感じているストレスはいつまで続くのか。
自分だけではなく、他の人も同じようなストレスを抱えているということや大体のストレスを抱えやすい期間の目安が分かれば、少し気が楽になりますよね。
転職におけるストレス事情について、まずご説明していきます。
転職後のストレスの症状は
ストレスを感じているということは決して悪いことではありません。
そもそもストレスというのは、体の防衛反応として起こっている現象で、転職時だけではなく、誰でも日々の生活で感じているものだからです。
ストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れていきます。
頭痛や疲れやすい、体のだるさを感じながらも、なかなか眠れずに疲労がとれないことが続くなどの悪循環に陥ります。
人間はストレスを感じた際、生体反応として、
- 情動変化・・・まず、不安やいかり、恐怖などを感じる
- 身体変化・・・次に、動悸や息苦しさ、冷や汗などの変化が体に現れる
- 行動変化・・・上記の変化を解消するために、忙しく動いたり、タバコやお酒で気を紛らわそうという行動
が起きます。これらのプロセスを頭に置いた上で、自分のストレス度合いを見極め、ストレス症状が酷くなる前に対処していくことが望ましいと言えます。
転職後のストレス目安は3ヶ月と半年
転職後のストレスは多くの人が抱えるものである反面、ほとんどの人が長引くものでもありません。
転職後大きなストレスを抱えるのはピークが1か月目、期間は概ね3ヶ月と考えてよいでしょう。
それは、仕事内容を新しく覚える、職場内の人間関係に慣れるという理由からです。なかなか慣れない人でも長くても半年。
ほとんどの人がこのくらいの期間で転職後のストレスからは開放されるのです。そのため、今本当に辛いと思っていても、楽になる日は来るので、終わりを見据えてストレスと上手く付き合っていくことが大切です。
転職後のストレスの原因とは
では、転職後のストレスの原因はなんでしょうか。ストレスと上手く付き合っていくためには、ストレスを感じている原因をしっかりと理解することが大切です。
人間関係によるストレス
転職によって、誰も知り合いのいない中での新しい仕事が始まります。
- 悩みやわからないことを誰に聞けばよいのかわからない。
- 既にあるコミュニティに入っていけない。
- 上司が怖い。
- 職場内の人間関係が良くない。
など、人間関係に関するストレスは原因としてとても大きいと言えます。
人間関係に関しては、自分だけではどうしようもないこともありますし、上手く立ち回ることを覚えたり、いかに気にしすぎないでいられるかということが大事なポイントとなってきます。この原因が解決しない場合、ストレス症状が深刻化する可能性も考えられます。
新しい業務内容によるストレス
同職種の転職であっても、新しく覚える業務や作業は必ずあります。
それが前職とは全く異なる仕事であれば尚更です。
新しい業務を覚えるまでは、集中力や記憶力を駆使し、上手くこなせているか、わからないときに聞いてよいものかと精神的ストレスも生じてきます。
このストレスは誰しも必ず生じるものですが、業務は覚えて慣れていけば自ずとストレスも少なくなってくるものですので、過度な焦りや不安を抱かないことが大切です。
自分の能力に関するストレス
転職により新しい業務や人間関係に関わった時、思い描いていたよりも自分の力が発揮できないということも少なくはありません。
今までとは全く異なる環境の中で仕事をするため、もちろん自分の知らないことにもたくさん出合うはずです。
そんな時に、自分の不甲斐なさや無力感を感じ、それがストレスになるという人もいるでしょう。
しかし、そのストレスも転職後特有なストレスの一種です。
始めは、できないこと・わからないことが当たり前と考え、少しずつ何ができるようにならなければならないかを整理し、考えていきましょう。
職場環境に対するストレス
前職場と必ずと言ってよいほど異なるものが職場環境です。
職場内の雰囲気や仕事を進めて行く手順の決まりなど。会社としての決まり事や重視するものはそれぞれですので、職場環境こそ、慣れるまでのストレスは大きいと言えます。
職場環境要因として挙げられるポイントは、以下のようなものがあります。
- 自主性を尊重する会社か、会社としての決まりを重視する会社か
- 社員同士の気さくな会話も認めている会社なのか、黙々と作業を重視する会社か
- 家庭やプライベートも大切にできる社風か
など、その職場環境や雰囲気が自分に合っているかどうかがストレス蓄積の要因として重要になってきます。
ワークライフバランスの変化によるストレス
転職を機に、慣れない仕事で精神的ストレスを抱えながら、通勤や勤務時間、仕事量など物理的に変わってくることも多くあります。
それにより、仕事以外の生活に時間をさけなくなったり、プライベートの時間が楽しめなくなったりという、ワークライフバランスが不安定になることがあります。
仕事上でストレスが溜まっても、プライベートでしっかりと休養やリフレッシュができれば、この転職後のストレスを無理しすぎずに乗り切ることができます。
転職の際、しっかりとワークライフバランスが保てるかということも意識をして転職先を選んだり、転職後意識するようにしてみましょう。
会社内でできるストレス対処法
ストレス要因は、ほとんどが会社の中にあります。
だからこそ、会社内でそのストレスを上手く対処できたり、別の方法で発散できれば、ストレスを徐々に軽減していくことができるのです。
会社内でできるストレス対処法を具体的にご紹介していきます。
会社の中で一人でも味方をつくる
元から会社にいる先輩でも、同じ時期に転職をした同期でも良いのです。会社の中で一人でも味方をつくることは、大きな精神的な安定に繋がります。
その時に大切な2つのことを意識してみてください。
- しっかり信頼できる人を味方にすること
- 愚痴や不満ばかりではなく、学ぶ姿勢、謙虚な姿勢を怠らない
新しい仕事を覚えようと努力している人には、きっと周りの人も手を差し伸べて受け入れてくれます。
積極的に学ぶ姿勢を忘れず、不安やわからないことを抱えこまずに聞ける味方を早い段階からつくることがストレスへの上手な対処法の1つとなります。
できないこと・わからないことは抱えこまない習慣をもつ
新しい職場・仕事で、すぐにはできないことやわからないことがあるのは当たり前です。
しかし、それを誰にも相談できずに自分で抱え込んでしまうことがストレスへと繋がっていきます。
わからないことを自分なりに努力することはもちろん大切ですが、困った時、すぐに聞ける勇気を持つこと、それを習慣にすることが大事です。
聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥
この会社でこれから働いていくと決めたからには、わからないことを抱えていくわけにはいきません。
わからないことを素直にわからないと言える習慣と聞ける仲間を持ちましょう。
昼食や休憩時には好きな物を食べる
仕事中は人間関係や仕事内容など頭と精神を駆使しています。
だからこそ、会社の中でも昼食や休憩時にはしっかりと切り替えて気を抜ける時間をつくる事が大切です。
そして、好きなものを食べるということで、ホルモンの放出が緩和され、ストレス解消に繋がる効果があるのです。
特にその中でも下記の成分が含まれたものを摂取することはストレスに効果があるとされています。
- ビタミンC
- ビタミン群
- カルシウム
- マグネシウム
- ポリフェノール
休憩時に緑茶やコーヒー、チョコなどをつまむこともストレス対処法にとても効果的です。
仕事とプライベートをしっかり分ける
転職後はしばらくストレスが溜まりやすい状態となります。
その状態の中でも、しっかり仕事とプライベートを分けて、ストレスから開放される時間をつくることが大切です。
仕事中は新しい人間関係や業務を覚えることに神経を使い、家に帰ったら仕事のことは極力考えない時間をつくるなど、切り替えができるように意識しましょう。
会社外でできるストレス解消法
会社で外できるストレス解消法ももちろんあります。しかし、その方法は人それぞれ異なることが多いので、一般的に効果の期待できるストレス解消法を4つご紹介していきます。
軽い運動でリフレッシュ
ストレスやうつ症状が見られる場合には、脳内のセロトニンという物質の働きが悪くなっているとされます。
セロトニンの分泌を高めるためには、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動が効果的と言われているのです。
リフレッシュするためには、自分の好きな運動を取り入れることも大切です。ストレッチやスポーツ、ヨガなど自分のリラックスできる運動を選んでみてください。
セロトニンが増えることで、心が落ち着いたり、集中力も高まるため、仕事の効率化にも繋がります。
ゆっくり入浴をする
入浴はリラックスできると多くの人に認識されていますが、ストレス解消に効果的な理由が明確にあることをご存知でしょうか。
会社で仕事をしているときなど活動時には交感神経が優位に働いています。
仕事が終わってもずっと交感神経優位でいると、頭が興奮状態でなかなかリラックスすることができません。
入浴することで、交感神経が副交感神経優位に切り替わり、緊張状態が緩和され、心と体をリラックスさせることができるのです。
より効果的なのは38℃~40℃の熱すぎないお湯にゆっくりつかってから夜寝ると、深い眠りにつくことができ、疲労回復して次の朝スッキリ目覚めることができるようになります。
休日は趣味を満喫する
仕事とプライベートをしっかりと分けることが大事とお伝えしましたが、休日は仕事のことを考えずにリフレッシュする絶好の機会です。
休日は買い物や旅行、趣味などを満喫することで、気分をリフレッシュするということが大事です。
誰しも感じる転職後のストレスは3ヶ月~半年程度続くとされています。そのストレスと上手く付き合っていくためには、そういった息抜きが大切なのです。
疲れが残りすぎない、適度な活動でリフレッシュし、日々の仕事に向き合えるようにしましょう。
文字に書き出してみる
ストレスとは、自分の中にある悩みや思い、不安を抱えこんで蓄積していくものです。人に話してストレスを発散するという人も多いと思います。
しかし、人に話すよりも簡単に、意外と効果的なことが文字に書き出してみるということなのです。
ストレスが溜まった時、感情がコントロールできないとき、一人でもすぐに行動に移すことができ、文字に書き出すということで、自分の想いを整理することに繋がります。
人に話すということは、もちろん良い効果がありますが、人によっては望んでいた反応をしてもらえなかったり、自分で言葉にしたことでよりダメージを受けてしまう場合があります。
一度文字に書き出して、自分の考えを整理して落ち着かせたり、本当に話したいことを整理する機会に使うのも効果的です。
ストレス症状が酷くなった場合の対処法
ほとんどの人が転職後ストレスを感じながらも慣れてくれば軽減していくものです。
しかし、ストレス症状が改善せずに悪化してしまう人もいます。そんな時には、無理をせず、必要な対応をとらなければなりません。
どんな症状が出てきた時、注意しなければならないのかと合わせてご説明していきます。
注意すべきストレス症状とは
特に下記にご紹介する症状が当てはまる方は、要注意として、次に述べる対処法を検討してみてください。
- 疲れているのに夜眠れない、朝が起きられなくなった
- 常に気分が落ち込み、何もやる気が起きない
- 集中することができない
- 不安や焦り、イライラが止まらない
- 動悸や息苦しさ、頭痛、下痢などの身体症状の現れ
これらの症状がしばらく続いているという方は、ストレス症状が強く現れている状態です。
ストレス症状が酷い場合は精神科もしくは産業医を受診
ストレス症状が酷い場合には、無理をせず精神科もしくは産業医を受診し、まず休養をとることが大切です。
上記のようなストレス症状をそのままにしておくと、うつ病に移行する可能性もあります。
休養やリフレッシュ、専門医の受診などで正しく対処するようにしてください。
ストレスの原因を明らかにし、転職も検討
ストレスの原因が一般的などの会社でも想定できることではなく、いわゆるブラック企業などのように過度な時間外労働やパワハラなどが原因の場合は、慣れてくればストレスがなくなるということではありません。
もちろん、ブラック企業でなくとも、どうしても職場環境や仕事が合わなかったという場合もあります。
そんな時は、ストレス症状が酷くなるまで無理をするのではなく、再度転職することも視野にいれてみてください。
ストレス解消しながら転職先に慣れていきましょう
転職後すぐは、一番ストレスを抱えやすい時期だと言えますが、それはほとんどの人にとってずっと長く続くものではなりません。
慣れないこと、できないことは当たり前だと思い、気負いすぎずに、ストレスを上手く対処しながら新しい仕事・職場に慣れていってください。