やりがいを持って仕事がしたい。ほとんどの人がそう思い、いざ仕事に就きます。
しかし、やりたいことを仕事にできている人は一握りで、長時間労働やストレスを抱え、自分をすり減らして仕事をしている人も少なくはありません。
そんな時、転職を考え、
「楽な仕事に就きたい…」
そう思いますよね。では、“楽な仕事”とはどういった仕事でしょうか。
その基準は意外と人それぞれ異なります。自分にとって、楽な仕事の条件は何なのか。
そして、それは具体的に何の仕事なのか、実際の仕事を挙げながらご紹介していきます。
大前提として、「楽な仕事」なんてほとんどありません。あくまで「比較的楽な仕事」、「ある視点から見たときに楽と感じる仕事」として紹介しています。
色々な条件を見ながら、「自分にとって楽な仕事」の参考にしてください。
楽な仕事とは
まず、「楽な仕事」の条件を整理していきましょう。
人それぞれ自分の性格や強み、弱みがあるように、仕事にも合う合わない、向き不向きがあります。
それが合致しない仕事を選択してしまうことで、不必要なストレスを蓄積していくのです。
あなたにとって何が楽と感じるのか。自分はどんな仕事を望んでいるのか、こちらを読んで考えてみてください。
精神的ストレスが少ない
楽な仕事の条件として、まず挙げられるのが精神的ストレスが少ないということです。
厳しいノルマや大きな責任を抱えながらの仕事は、プレッシャーが大きく、抱えるストレスや仕事量は比例して多くなってくる傾向があります。
- 厳しいノルマがない
- 一人の責任にならない
- 社外の人との関わりが少ない
- 会社内の対人関係が安定している
など、これらの精神的ストレスが少ない仕事は、楽な仕事と言えるでしょう。
身体的労力が少ない
楽な仕事としてわかりやすいのは、身体的労力が少ない仕事です。例えば、下記のような条件が具体的に挙げられます。
- 土木業、引っ越し業などの力仕事ではない
- 立ちっぱなしの仕事ではない
- 営業などで移動の多い仕事ではない
- 介護など体を駆使しない
体力や力に自信があり、そういった作業があまり苦でないという人もいます。
しかし、力を使ったり、動き回る仕事であると、多くの人が疲労を感じやすい傾向があります。
また、そういった力作業を長期間続けていくことにより、腰痛などの体の不調に繋がる可能性もあります。
体力や力作業に自信のないという方は、無理せず身体的労力の少ない仕事を選択することが望ましいでしょう。
単純作業である
単純作業の仕事は、楽な仕事だと思う人も多いです。
一度作業工程ややり方を覚えてしまえば、頭を使うことが少なく、淡々と仕事がこなせるからです。
また、単純作業の利点として挙げられるのは、下記のようなものです。
- 失敗が少ない
- ルーティンワークであるため、心配事が少ない
- 思考を使わない
- やり方を覚えてしまえば、一人で作業が可能
楽な仕事として、単純作業を好む人は多いです。
しかし、単純作業は当然ながら同じことの繰り返しで、それが苦痛の人や飽きてしまう人もいます。自分が単純作業を好み、続けていくことができそうか考えていると良いでしょう。
労働条件が良い
楽な仕事として、意外と盲点であるのが、労働条件が良いという点です。
仕事内容がある程度大変なものであっても、働く環境が良かったり、職場の人間関係が良好であることは、働く上でとても重要になってきます。
良い労働条件の具体例を下記に列挙します。
- 労働時間がきっちり決まっており、残業がない
- 仕事内容に対して、給与が良い
- 福利厚生が充実している
- 休暇が柔軟にとりやすい
これらの条件が良い仕事であれば、働く上で精神的ストレスが少なく、継続していける人が多いです。
上記で挙げた楽な仕事の条件に合う仕事の多くは、誰でもできる仕事とも言い換えることもできます。
仕事にやりがいや充実感を持ちながらも、なるべく楽に仕事をしたいという方にとっては、労働条件を重視することが望ましいと言えます。
楽な仕事おすすめ10選!
具体的に楽な仕事とはどんな職種、仕事内容なのでしょうか。おすすめの仕事を10個ご紹介していきます。
大家・マンション管理人
家やマンションを所有し、家賃収入を得る大家やマンション管理人は、自分が日々動かなくとも安定した収入を得ることができるため、楽な仕事の代表例とも言えます。
大家・マンション管理人としての主な仕事内容は大きく分けて3つです。
- 入居者の管理
- 物件の管理
- 資産管理
大家やマンション管理を、他に仕事をしながら平行して行うことも可能です。そして、資産としてこれらの物件を所有する人も多くいます。
そのため、①②に関して管理に自信がない人や対応する時間がないという人は、業務を専門業者に委託する方法もあります。
しかし、物件を購入・保有するということは、大きな資金も必要ということになります。
出資した資金を利益で還元、収益化するためには顧客から魅力的に見えるための立地や工夫をしなければならなくなります。
軌道に乗るまでは大変ですが、物件管理や入居者が安定すれば、楽な仕事と言えます。
事務職
事務職は、仕事量は比較的多い職業ではありますが、決まったマニュアルがあることや椅子に座って机上で行う仕事が多い点から楽な仕事として挙げられます。
また、決まった社内の人間との接触がほとんどで、黙々と作業することが多い職業なため、コミュニケーションに自信がない人や管理する作業が得意な人には特に適しています。
一日中座ってパソコン作業であることも多いため、腰痛の方には逆に辛い仕事になる可能性もありますし、肩こりや目の疲れに対する対処法は考える必要が出てきます。
受付業務
黙々と一人で作業することは苦手。しかし、人と関わることは好きという人にとっては、受付業務はとても楽な仕事と言えます。
受付業務ですので、多少机上での管理作業等がありながらも、主の業務は、来客対応なので座って待っているというスタンスです。
比較的時間に追われずゆったりと仕事ができること、いろんな人と関われるという点を利点と考えられる人には向いていると言えます。
警備員
警備員とは、ビルや病院、施設等の警備をする仕事です。もちろん、安全を守る仕事であるため責任は重大。
しかしながら、仕事内容としては、立ち仕事ながらもそんなに負担は大きくないこと、日々の仕事はルーティンワークであるため精神的・身体的ストレスが少ないとされています。
警備員として求められるのは、以下のものです。
- 従業員や来客の出入りのチェックに伴う対人スキル
- 安全を守るための責任と集中力
- 臨機応変に対応できる柔軟性
複雑な作業や頭を使うことは少ないため、比較的年齢が上の男性でも採用されるケースが多い職業です。
社内SE
SEとは、システムエンジニアにことで、社内SEは会社内のシステム管理や構築・運用保守、問合せや故障対応が主な仕事内容です。
フリーで働いているSEは、いろんな業務を抱えていたり、他者との打ち合わせ対応などに追われることも多いです。
しかし、社内SEの場合は、何か問題が発生した場合の対応や、新たなシステムを開発するという場合に作業量が多くなりますが、日々の仕事量は比較的落ち着いていると言えます。
専門の知識や技術を有している職業でもあるため、需要や給与面も考慮されることが多いですし、所属する企業によっては、楽な仕事と言えるのではないでしょうか。
データ入力
データ入力は単純作業かつ対人関係の少ない仕事であるため、楽な仕事と言えます。
作業内容は指示されることやマニュアルが用意されていることも多いため、慣れてしまえば思考をあまり使わない仕事でもあります。
最近では、データ入力であれば場所を問わずリモートワークで可能な場合もありますし、クラウドソーシングなどで単発で自分の働きたい時だけ仕事を受注するということもできます。
データ入力は、単純な作業で比較的誰にもできる仕事であると言えるため、単価(給与)が安いことが多いです。
自分の作業時間と給与を照らし合わせて、時給換算してやる価値があるかを見極める必要があります。
トラック運転手
トラック運転手になるためには、運転免許は必要となります。しかし、その他複雑な作業はなく、仕事内容がわかりやすいため、運転が苦でない人にとってはとても楽な仕事です。
一人で運転して運ぶことが多いため、他者との関わりも少なく、精神的ストレスも少ない職種です。
ただ、仕事内容によっては、運送だけではなく、荷物の積み下ろしまで行うこともあるため、力仕事ができるかという点は考慮する必要がありそうです。
図書館や美術館職員
図書館や美術館での仕事は、業務内容が落ち着いておりバタバタと仕事に追われることが少なく、定時にあがれることが多いです。
決まったノルマもなく、精神的・身体的ストレスも比較的少なく仕事をすることができます。
本や美術が好きな人にとっては、趣味として楽しめる空間でもあります。
ルート営業
営業とは、一日中歩き回って、新しい契約先を見つけたり商談をして、精神的にも体力的にも大変なイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、ルート営業は、既存の営業先を回り、新商品・サービスの紹介や定期フォローをする仕事です。
既に関係性が構築されている取引先とのコミュニケーションにもなりますし、断られる精神的ダメージも少ない、意外とおすすめな楽な仕事と言えるのです。
また、一人での外回りは気楽に行えるためその点を好む人もいます。
工場作業員
工場作業員は比較的募集も多く、採用されやすい現状があります。そんな中で、工場作業員が楽な仕事と言えるポイントは以下のものです。
- 単純作業であることが多い
- 大きな責任をとることがない
- 他者との関わりが少ない
ということです。一人で黙々と作業したい人にはおすすめです。
楽な仕事に就く時の注意点
実際、楽な仕事に転職を決める際、注意していただきたい点があります。
楽な仕事が良いと望んで決めた仕事でも、いざ働いてみたら楽と思えない、望んでいたこととは異なり、継続できない。
そういった事がないように、下記に述べることをしっかりと踏まえた上で、決断をしてください。
自分に合った「楽な仕事」を見つけること
はじめに述べさせていただいたように、人それぞれ、楽な仕事に求める条件は異なります。自分にとって、何が楽なのか。
この仕事内容を継続することができるか。その他の条件を受け入れることができるのかをしっかりと考えた上で、自分にとってどんな仕事が合っているかを見極めることが大切です。
そのためには、まず自分分析と仕事分析をするとよいでしょう。その上で、仕事に求める条件の優先順位を決めていきましょう。
実際の仕事内容や働いている人の声を聞く
仕事の募集内容を見ただけでは、仕事内容の細かいところまではわかりません。
また、実際に書かれている内容と、いざ働いてみると異なる点なども出てくる可能性があります。
実際に働く現場を見学に行ったり、働いている人に話を聞くことで、働く前の理想と現実のギャップをなくすことができます。転職には労力も時間も必要です。
一度働いて、また転職を繰り返すということを避けるために、しっかりと生の声を聞き、仕事内容や職場環境を調査しましょう。
給与が下がる可能性もある
楽な仕事の中には、誰にでもできる仕事、作業量の少ない仕事、責任の少ない仕事などがあります。そういった仕事では、もちろん、他の仕事に比べて給与を高く望むことは難しいといえるでしょう。
- 多少仕事が大変でも給与をできる限り高く望むのか
- 給与は少なくても、楽な仕事をしたいのか
- 給与と仕事量のバランスの良い仕事がしたいのか
自分の中で、どの条件が重要なのかよく考え、転職に伴い給与が下がってしまう可能性も考えて先を見据えてみましょう。
楽な仕事に転職するためにすべきこと
では実際に、自分に合った楽な仕事に転職する際に、行うべきことをご紹介していきます。これらを参考に、後悔のない転職にしてください。
求人情報をよく確認する
求人情報に嘘を書く企業はないですが、重要な懸念事項を曖昧に書いたり、記載義務のない事で、応募する側にとって良くない情報は記載しない場合があることを頭に入れておいてください。
特に下記のポイントには注意してみてください。
- 給与や福利厚生、待遇条件が採用者全員に対象ではなく、条件や期間が決められている
- 仕事内容が曖昧かつ未経験歓迎という記載がある場合
- 仕事内容に対して、給与が高すぎる
求人情報のみを鵜呑みにするのではなく、会社の概要を調べたり、しっかりと会社側に事前に質問できるよう準備しておく、働いている人の声を聞くなどの方法をとり、しっかりと内容を見極めることが大切です。
志望動機を考える
楽な仕事に転職をする場合、もちろんながら志望動機をそのまま「楽な仕事がしたいから」と伝えるわけにはいきません。
自分が働きたいと思っている動機をプラスに伝えられるよう、転職先の仕事内容や企業側が求めるものを事前にしっかりと知ることが大切です。
楽な仕事を求めての転職の場合に挙げられる志望動機としては、以下のようなものがあります。
- コツコツと真面目に仕事に打ち込むことが得意で、自分には向いていると思った。
- 仕事をしっかりとこなし、オンオフを切り替えて私生活も大切にできる働き方にとても共感した。
- 対人スキルや笑顔には自信がありますので、人と関わる仕事がしたかった。
など、自分の強みや得意なことを活かせるという点を絡めて志望動機を考えるとよいでしょう。
転職後の生活を考える
楽な仕事に就きたいと思って転職先を決め、仕事は楽になったとしても、それが一次的なものであったら意味がありません。
- その仕事をずっと続けていけるのか
- 仕事は楽になったけど、給与が下がり、生活は維持していけるのか
- 楽な仕事について、何を重視していきたいと思っているのか
転職後の生活や家計、モチベーションなど総合的な観点から考えて、転職先を見つけるようにしましょう。
転職サイトや転職エージェントを活用する
一人で求人情報を探していても、偏りが出たり、見つけられるものに限りがあります。
広い視野で、条件をしっかりと整理しながら本当に合った企業へ転職を望む場合、転職サイトや転職エージェントを活用することは得策です。
直接企業の採用担当者に「楽な仕事を探していて」ということは憚られますが、それらのツールを活用すれば、隠すことなく望む条件に沿って応募する企業を絞っていくことができます。
また、企業側との交渉や直接聞きにくいことなども間に入って話してくれる場合もあるので、ぜひ活用してみてください。
楽な仕事に就くために
あなたにとって、楽な仕事とはどのような条件か。
まず自分の望む条件や自分にどんな仕事が向いているかを考えて、こういった記事や転職ツールを活用しながら、後悔のない転職にしましょう。