転職活動は会社を辞めてから？在職中から？転職活動の実状とは

転職しようと考えた時に、今の会社を辞めてから転職活動を始めた方が良いか、それとも在職中に転職活動を始めるべきか。

誰しも今の状況を変えたくて転職を決意すると思います。だからこそ納得のいく転職ができるか、たくさん悩みますよね。

特に新卒で入社して3年ほどで次の職場への転職を考えている第二新卒と呼ばれる方たちにとっては、初めての転職活動となります。

また、転職ノウハウをよく理解しないまま闇雲に転職活動を進めることはオススメしません。

それぞれ今の仕事状況や年代によっても転職の適した進め方が変わってくるためです。

転職活動を始めるタイミング別のメリットデメリットをしっかり理解した上で、自分に合った転職方法を選択してください。

辞めてからor在職中、どちらの転職活動が主流？

現在の会社を辞めてから転職活動をするか、在職中から始めるか、主に2パターンの進め方があります。

一般的にはではどちらの方法が主流なのか気になりますよね。実は、転職活動の進め方においては、それぞれ今の仕事状況や年代によっても転職の適した進め方が変わってきます。

まずは、転職活動の実状を始めにご紹介していきます。

転職活動進め方の割合

転職活動を辞めてから行うか、在職中に行うか。厚生労働省の平成27年転職者実態調査の概況データから、会社を辞めてから転職活動を行う人の割合は25.8％で3割弱に留まっていいます。

つまり、転職希望者の中では在職中に転職活動をした方が良いと考える人が多いのです。

しかし、現実的に会社を辞めてから転職活動を始める人も一定数いるということは、それぞれのやむを得ない理由やメリットデメリットが存在しているということを示しています。

おすすめは在職中に転職活動をすること

在職中に転職活動をした方が良いと考える人が多いということからも、オススメなのは在職中から転職活動を進める方法です。

在職中に転職活動を行うことで、先の見えない不安を軽減でき、金銭面でも安心できます。

そして、転職に伴うブランクを最小限の期間にすることができ、キャリアに穴が開くことを防ぐことができます。

退職後に転職活動をするやむを得ない理由

在職中に転職活動をした方が良いと思いながらも、現実的には会社を辞めてから始めざるを得ない状況もあります。

上記のような状況がある場合、在職中に転職活動を無理に行っても良い結果になることは難しいため、会社を辞めてから転職活動を始める方が好ましいと言えます。

特に今の職場で過労やうつ傾向がある場合には、十分な休養や専門家に受診することも大切です。

ブランクが不利にならないのは3ヶ月まで

会社を辞めてから転職活動を行うということは、キャリアにブランク(空白期間)ができてしまうことになります。

いわゆる無職期間が長い場合には、採用に不利になることもあるため注意しましょう。

転職期間としてブランクが生じても採用に不利にならない期間としては長くて3ヶ月までだと言えます。

それは、仕事を辞めてから次の転職先が決まるまでの期間は概ね1ヶ月から2か月程度が多いとされるためです。

2か月程度のブランクであれば、通常の転職期間と捉えられるのです。3ヶ月程度だとしても、転職期間が長引いたと捉えられ、ブランクが採用に不利になることはほとんどありません。

もし、3ヶ月よりも長くなってしまった場合でも、その期間中に何をしていたかを明確に示すことができれば採用側も不利な条件として捉えられることはありません。

など、ブランクができたとしても、転職先の企業へ肯定的に伝えられる有意義な期間に使いましょう。

在職中に転職活動をするメリット・デメリット

では在職中に転職活動をするメリット・デメリットを具体的に見ていきましょう。

在職中に転職活動をする5つのメリット

在職中に転職活動をするメリットは主に5つあります。

では1つずつ解説していきます。

収入が途切れない

何と言っても在職中に転職活動をするメリットは経済的に安心感があることです。

会社を辞めてから転職活動をすると、いつ決まるかわからない中無収入の時期が生じてしまいます。

転職活動中には、生活費の他に下記のような出費がプラスで発生してくることが多いです。

在職中に転職活動をすれば、毎月給与が入ってくるため金銭面での心配を極力減らし気持ちのゆとりをもって転職活動を進められるようになります。

ブランクが生じない

前項でご説明したように、キャリアの中で一定期間ブランクが生じてしまうと採用に不利になることがあります。

空白期間が長いと面接の度に説明が必要になるため、なるべく長くならないようにすることがポイントです。

そのため、在職中に転職活動をする場合、このブランクがほとんど生じないというのもメリットの1つだと言えるのです。

妥協せずに転職先を決められる

在職中に転職活動をするということは、ある意味転職活動の期間を自由にコントロールできるということです。

もし仮に、なかなか納得のいく転職先が見つからなかったとしても、今勤務している会社があるため収入がなくなるわけではなく、焦って決めなければいけないということもなくなります。

じっくりと転職先を吟味しながら、自分のペースで妥協せずに転職先を決められることができます。

面倒な公的手続きを会社側でやってもらえる

転職期間に一定のブランクが生じる場合は、健康保険や年金を切り替える公的手続きが必要となります。

この手続きを自分自身で行う場合、離職票や年金手帳、健康保険資格喪失証明書などの必要書類を持参した上で市町村役所にて退職後14日以内に手続きを行わなければならないのです。

しかし、退職後すぐに次の職場で働き始める場合には、指示に従って必要書類に記載すれば後は転職先の企業が健康保険と年金の切り替え手続きを行ってくれるため、手間が大分省けます。

このポイントは意外と見落とされがちなので、企業側が行ってくれるというのは安心です。

迷った場合転職しない選択肢も選べる

転職活動を進めていると、なかなか納得のいく転職先を見つけられないことも少なくはありません。

そして、意外にも今いる会社で工夫することで自分のやりたかったことが実現できることに気がついたり、働く環境に恵まれていたということに気がつく場合もあります。

内定をもらったとしても、上司に伝える前であれば転職を辞めて働き続けるという選択肢もとることができるのです。

在職中に転職活動をする5つのデメリット

多くの転職希望者が好む在職中に転職活動をすることにおいて、実はデメリットもあるのです。

1つずつ見ていきましょう。

仕事と転職活動の両立が大変

在職中に転職活動をする一番のデメリットは仕事と転職活動の両立が難しいという点です。

会社を辞めずに転職活動を行う場合、内定をもらうまでは職場の上司や同僚に転職の意思を伝えたり、知られないように進めて行く必要があります。

もちろん、今の仕事に手を抜くわけにもいきませんし、その中で転職活動をする時間を確保していかなければならないのです。

転職サイトや転職エージェントなどを上手く活用しながら自分の欲しい情報を効率良く獲得していかなければ、転職を成功させるまでに時間を要してしまうことになります。

転職対策の時間を十分にかけられない

次に働きたいと思う企業が見つかった時、良い条件の企業は他の人からも人気です。

ライバルは会社を辞めてから十分に転職活動に力を注げる体制を整えているかもしれません。

在職中に転職活動をするということは、転職対策の時間を十分にかけられないというデメリットもあるのです。

特に転職対策に差が出るポイントとしては以下の点です。

これらは、転職活動においてとても重要なタスクです。

ライバルに差をつけられないようにするためには、勤務終了後の夜や休日なども使いながら転職対策に努める必要が出てくるのです。

早期採用を望む会社には転職しにくい

転職先の企業によっては、即戦力としてすぐ働いてくれる人を採用したいという希望がある場合もあります。

もし働きたいと思った企業の採用条件がなるべく早く入社できる人だった場合、採用される確立が下がってしまう可能性があるのです。

会社を退職する場合、すぐには辞められず退職手続きや引継ぎのために大抵2～3ヶ月は必要となります。

面接や連絡調整などのスケジュール管理が難しい

転職活動時、担当者の方との連絡調整や面接日程を合わせるにも在職中の場合上手くいかない場合が出てきます。

などといったどうしても避けられない不自由さを感じてしまうことがあります。

同僚や上司にバレるリスクがある

転職活動中はパソコンや携帯で転職情報を探したり、電話連絡が増えたり、休みを取得しなければならなかったりと仕事への影響も少なからず生じてきます。

しかしながら、転職先から内定をもらうまでは、今の会社の同僚や上司にバレてしまうことは極力避けなければなりません。

その理由として考えられるのは以下の理由です。

在職中に転職活動を行う場合には、こちらのリスクを考えながら注意して進めて行く必要があります。

退職後に転職活動をするメリット・デメリット

では逆に、退職後に転職活動をするメリット・デメリットはあるのでしょうか。

多くの方が在職中に転職活動を行うことからも、退職後に転職活動をするにはデメリットがあります。

しかしながら、退職後に行うからこそ得られるメリットもありますので、デメリットに上手く対処できれば、会社を辞めてから転職活動をするのも決して悪い選択ではありません。

退職後に転職活動をする4つのメリット

退職後に転職活動をするメリットは主に4つです。

1つずつ見ていきましょう。

情報収集や対策に時間をかけられる

退職後に転職活動をする一番のメリットはやはり転職活動一本に集中できることです。

転職において、様々な企業の情報収集や企業・自己分析、面接対策など時間をかけなければいけないことは沢山あります。

その一つ一つに十分時間をかけられることで、自分のこれからの働き方や本当に働きたい企業を見つけられる確立が高くなります。

十分に転職対策を行うことでライバルと差をつけることができますし、納得のいく転職に結びつく可能性がより高くなるのです。

スケジュール管理がしやすい

転職活動中には、意外と連絡のやり取りや日程調整が必要になることも多くあります。

またほとんどの方は、転職先の企業を1社に絞らずに複数同時並行で進めて行く場合が多いので日程調整に時間をかけることになります。

そのため、面接日程などスケジュール調整に制限されるものが少なく自由にスケジュールが組めるという点は、会社を辞めてから転職活動をする場合には大きなメリットです。

すぐに入社できる

募集を出している企業の多くは、今人が足りていないから優秀な人材をできる限り早く採用したいと思っています。

そのため、あなたがその企業で本当に働きたいと思えて、活かせるスキルや経験をしっかりアピールできれば、「すぐにでも働くことができます！」というのは採用においてとても有利になるのです。

同じようなスキルや経験を持ち合わせているライバルがいた時に、3か月後からしか働けないという人と、すぐにでも働けますという人では、どちらを採用するかは明確だと思います。

企業の募集状況によっては、会社を辞めてから転職活動をしている人の方が採用に有利になる場合があるのはそのためです。

手続きをすれば失業手当を受け取ることができる

会社を辞めてから転職活動をする上で心配な点の一つは金銭面の不安ですが必要な手続きを行えば失業手当を受け取ることができます。

特に「会社都合での退職」の場合は、失業手当を受け取りながら転職活動を行えるため、金銭面にある程度の余裕を持って転職活動を進めることができます。

自己都合で退職した場合にはすぐに受け取れるわけではありませんが、雇用保険に加入している人にとっては受け取ることができる当然の権利ですから、ぜひ活用しましょう。

失業手当を受け取っていて、再就職が決まれば、再就職手当としてまとまった額がもらえることもあるため、必ず手続きを行いましょう。

 

 

退職後に転職活動をする4つのデメリット

退職後に転職活動をする上ではやはりデメリットもあります。主に生じるデメリットは下記の4つです。

しかし、これらの事項はある意味事前に対策が取れたり、意識して転職活動を行うことでデメリットを回避することも可能となります。

収入が途絶える

会社を辞めてしまうと収入が途絶えてしまいます。

そんな中次の転職先がいつ決まるかわからない状況で収入が入ってこないというのは不安要素となります。

金銭的不安は、次の転職先をしっかりと見極める上で支障になるだけではなく、生活自体が成り立たなくなることにも繋がります。

退職後に転職活動をする際には、生活にいくらお金がかかるのかを事前に考えておく必要があるでしょう。

ブランクが生じる

一度会社を辞めてから転職活動を始めると、仕事をしていないブランクが生じてしまうことも1つのデメリットになります。

このブランクが3ヶ月以上長引いてしまう場合には、採用の際に不利になってしまうこともありますし、このブランクは生涯履歴書から消すことが出来ないため長引かないようにすることは大切です。

焦ると転職先を妥協してしまう可能性がある

会社を辞めてから転職活動を始める場合、上記でもご説明しましたが、主に2つの不安点が生じます。

この2つの不安要素から、転職先を早く決めたいと焦ってしまうことがあります。

そうなると、自分の本当に納得のいく職場でなかったり、条件を妥協して決めてしまう可能性も出てきます。

結果として長く続かなかったり、転職を後悔してしまうことにもなりますのでできる限りの対策を講じながら自分の納得のいく転職先を探していきましょう。

元の会社には戻れない

退職後に転職活動を行うデメリットとして意外と盲点なのが、元の会社に戻れなくなるということです。

会社を辞める時点では、「もうここでは働けない」「より良い職場環境を求めて転職をする」と意思を固めて退職すると思います。

しかし、実際に転職活動を進めていき、多くの企業を見ていくと、元の会社が思っていたよりも悪い環境ではなかったり、自分のやりたいことは元の会社にいながらもできたのではないかと気がつくことがあるのです。

そう思っても、既に退職をしてしまっているので戻ることはできません。

本当に今の会社を辞めて良いのかよく考えた上で決断する必要があるのです。

年代別転職活動の特徴とは

転職活動においては、実は年代によって進め方や採用基準が異なります。

特に転職を考える20代から40代までそれぞれの転職事情をご紹介していきましょう。

20代の転職は退職後の転職活動を行いやすい

20代はキャリアが浅いため、無職期間が長くなると働く意思が弱いのではないかと捉えられがちです。

第二新卒世代でもあり、求人は多く存在します。そのため、できる限り在職中に転職活動を始めてブランクを極力作らない形で転職をするのが望ましいと言えます。

しかし、20代は社会人となり自分のスキルアップや新たな資格を取得したいと考える人も少なくはないでしょう。

ブランク期間で自分のスキルアップのためにやるべきことが明確にある場合には、会社を辞めてからの転職活動でも決して不利になることはありません。

30代の転職は在職中の転職活動がおすすめ

30代はある程度仕事でのスキルや経験を得ている世代で、採用する企業としても即戦力として採用したいと考えることが多くあります。

在職中にできる限り転職先の企業の情報収集や応募書類などを準備した上で、手ごたえが見えてきたら、今の会社を辞めてできる限り早く転職先に入社できる手続きを踏めるようにするのが一番オススメです。

40代の転職はこれまでの経験を活かす事が大事

40代ではキャリアやスキルが積み重なり、得意とする分野も明確化している人が多い世代です。

人によってはある程度上の役職に就いている人もいるでしょう。そんな世代の転職では、自分で転職先を広く探すというパターンよりも引き抜きや知人の企業に転職するということも少なくはありません。

40代でもなるべくブランクを作らないために在職中に転職先の目途を付けておくことが望ましいですが、会社を辞めてから転職活動を始めても今までの経験やスキルをしっかりと伝えることができれば、あまり不安がることはありません。

会社を辞めてから転職活動をする際のポイント5つ

会社を辞めてから転職活動をする際には、意識すべきことやデメリットに対して事前に準備しておくことがあります。

これらのポイントを意識することで、会社を辞めてから転職活動を進めても転職成功の確立を高めることができるのです。

転職のモチベーションを維持する(目的の明確化)

転職活動はダラダラと進めて長引くことを一番避けなければなりません。

自分なりの目的や転職活動期間を決め、転職に対するモチベーションを維持することが大切なのです。

モチベーションを上げるために、まずはしっかりと自分転職の目的を明確化しておきましょう。

転職の目的を決めることで自分の行くべき企業が見えてきたり、将来のために何をするべきかがわかりモチベーションが高まります。

また転職活動の期限を決めることで、無駄な時間を生じさせずに行動することができるため、高いモチベーションを維持することができるのです。

規則正しい生活を心掛ける

退職後は毎日会社に行っていた頃とは違い、時間の使い方が自由になります。

しかし、そこで不規則な生活を送っていると体調を崩しがちになり、転職のモチベーションも下がってきます。

会社に行っていた頃と同じように平日は朝早く起きて自分の今すべきことに取り組み、土日はしっかりとリフレッシュするといったメリハリのある生活を送ることが大切です。

転職活動の期間は意外と長くはありません。規則正しい生活を心掛けることで、働くモチベーションを維持したまま次の会社に入社することができるのです。

貯金をして経済的不安を軽減させる

会社を辞めてから転職活動をする場合収入がなくなり、金銭的不安が転職活動への不安から転職先を妥協してしまうことにも繋がっていきます。

それを極力さけるために、退職までにできるかぎり貯金をして、余計な不安を抱かずに転職活動に専念できる環境を事前に作ることはとても大切になってきます。

ライバルとの差別化、戦略を十分に立てる

会社を辞めてから転職活動を行う最大のメリットはライバルとの差別化ができることです。

企業分析や自分分析を十分に行い、働きたい企業にとって自分をどのようにアピールすればよいかという戦略を立てるかが重要になってきます。

ライバルとの差別化ができるポイントを挙げてみます。

在職中に転職活動を行う人たちと異なる点は圧倒的に情報収集したり書類作成にかけられる時間があるということです。

それを最大限活かし、企業の求める人材やスキルに自分のできることをマッチさせたアピール方法を考えることが重要となってくるのです。

転職エージェントを活用する

会社を辞めてからの転職活動は孤独との戦いでもあります。モチベーションを維持したり、視野が狭くならないためにも転職エージェントを活用すると良いでしょう。

転職のプロとしてあなたに合った転職先を紹介してくれますし、重要な応募書類のアドバイスもしてくれます。

転職エージェントを上手く活用しながら、スムーズに納得のいく転職になるよう努めてみてください。

自分に合った転職活動をするために

在職中に転職活動を始めるか、仕事を辞めてから転職活動をするか。

それぞれメリット・デメリットがあり、重要なのはいかに自分に合った転職活動をするかということです。

今の仕事の状況や今後の目指したいものをしっかりと踏まえた上で、適切な準備と対策を取れば、どちらの方法であっても納得のいく転職を実現できると思います。

こちらの記事を参考にして、あなたに合った転職の方法を探してみてください。